rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

6月12日 金与正「談話」関連動向

 

 標記に関する本日付けの「労働新聞」の報道を見ると、まず、「燃える敵愾心、滅敵の意志 金正淑平壌紡績工場 青年達の抗議糾弾集会に参加して」と題して、同工場において「何日か前」に行われた「人間ゴミどもと南朝鮮当局者の反共和国敵対行為を峻烈に断罪する青年達の抗議糾弾集会」への参加見聞録が掲載されている。同集会では、まず「青年同盟初級団体委員長」が「6月4日付け党報(労働新聞のこと)を広げ」て「談話」を朗読した後、参加者が次のような発言をしたとされる。

・「・・私は、人間ゴミに鉄槌を下す心情で革新の火の手を強く起こすことによって、意義深い今年、4年分の人民経済計画(に基づく予定作業量)を繰り上げて完遂するということを固く決意します」

・「・・私は、人間ゴミと南朝鮮当局者の盲動を断罪糾弾しつつ、私のような我が工場のすべての新入工員が心を合わせて集団的革新の火の手を強く起こすことを訴えます」

 そして、最後には「仇敵どもの頭の上に鉄槌を下す心情で偉勲と革新の激しい火の手をメラメラと上げる頼もしい青年紡績工たちの誓い」を称揚して記事を結んでいる。

 このほか国内関連では、「同族対決に狂った人間ゴミどもを永遠に一掃してしまう決意にあふれている」との題目の下、職場で抗議の集会を開く「平壌客貨車隊」の様子を写した写真が掲載されただけである。関連の論説・評論などは、掲載されていない。

 一方、国外の動向として、在日の南昇祐総連中央常任委員会副議長が10日、「共和国の最高尊厳に手出しする謀略策動と南朝鮮当局の背信行為を絶対に容赦しないであろう」と題する談話を発表したこと及び在中朝鮮人女性協議会が8日、「全世界朝鮮同胞女性の名前で最も厳しく恐るべき鉄槌を下すであろう」と題する談話を発表したことがそれぞれ報じられている。

 北朝鮮は、韓国に対するものとしては、9日の通信線などの遮断をとりあえずの措置と称し、更なる後続措置を示唆しているが、少なくとも国内的には、上記の引用からもうかがえるとおり、その怒りのエネルギーを日々の生産活動に昇華させることを企図していることは明らかであり、「抗議集会」などの活動などは一応終了と見られる。