rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月3日 社説「偉大な祖国守護者たちの精神で生き闘争しよう」

 

 標記社説の題名は、先月27日に開催された「第6回老兵大会」において、金正恩が提示したスローガンだそうで、同社説は、まさにそれを敷衍するものである。「祖国守護者」とは、いうまでもなく朝鮮戦争で戦った人々を指す。

 社説は、まず、その「偉大な祖国者の精神」の持つ意義について、「我が国家の政治思想的威力をくまなく強化していけるようにする思想精神的武器」であり、「我が人民の強国の夢と理想を促進して実現していけるようにする原動力」であると述べて、その重要性を強調する。

 その上で、「今日、我が世代」が「偉大な祖国守護者たちの精神で生き闘争していく」ことの意味として、「首領の思想と領導を忠誠で奉じていくこと」、「社会主義強国建設の突撃戦士、世紀的な奇跡創造の主人公になること」をあげる。とりわけ、「青年達が祖国守護者たちの精神で心臓の血を湧き立たせ勇猛を振るう」こと及び「幹部達は、前進する隊伍の先頭において進む野戦型の指揮メンバーになる」ことが強調されている。

 そして、最終的な理想として、「祖国守護者たちのように生き闘争していく気風が確固とした国風になる」ことが掲げられている。

 「老兵大会」の開催が、北朝鮮指導部がかねて問題視していた国内の思想的弛緩(「革命精神、階級精神」の希薄化)状況に向けた対策としての狙いを有するものであったことは、既に指摘したとおりであるが、開催1週間後になって、改めてこのような社説が掲載されたことから勘案すると、そのような企図は、一時的なものではなく、今後相当期間継続する思想キャンペーン的なものであるのかもしれない。そして、その主たる対象は、上述のような内容からして、青年層及び幹部に設定されていると考えられる。

 なお、余談であるが、本日の「労働新聞」には、「白頭革命精神を雄々しく引きつぐ継承者たちの隊伍  今年6月から7月までで1万6000余名の勤労者と人民軍将兵、学生青年が白頭山地区革命戦跡地を踏査」と題する記事も掲載されている。

 今後は、「抗日パルチザン」及び「祖国守護者」の双方が人々の生き方の模範とされるのであろう。