rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月6日 洪水被害防止及びコロナ防疫対策を引き続き強調

 

 標記二つの問題への対応を当面の重要課題とする点で昨日と変化はないが、今日は洪水被害対策関連の記事が先に置かれている。その内容は、「洪水と暴雨による被害から農耕地と農作物を徹底して保護しよう」との共通題目の下、「時々刻々と確認し、万全を期そう」、「必要な電力を優先的に」(排水ポンプの稼働確保のため)、「排水揚水機のフル稼働保障に力を集中」、「一体となって奮い立ち 平安北道において」などと題する記事である。

 コロナ対策については、「防疫事業をより強度高く展開し、人民の安寧と祖国の安全を死守しよう」との共通題目の下、「最大に緊張し動員された態勢 各地保健機関において」、「長雨期条件に合うよう非常防疫事業を強度を高めて展開」、「防疫前哨線を守る高い自覚」、「最大非常体制の要求どおり奮発し、また奮発して」、「先制して徹底した対策を」などと題する記事が掲載されており、分量的には前者とほとんど同じである。

 ちなみに、先般の韓国からの「違法帰郷者」のコロナ感染検査結果については、WHO平壌駐在代表によると、いまだ結論が得られていないとのことで、やはり「陰性」であった可能性に傾かざるを得ない。そうであるなら、「疑い」発見当時に「先制的・即時的」な措置を取ったことの是非はともかくとして、その疑いに基づく「最大非常体制」を今後とも継続する必要性は低下しているはずである。

 一方、洪水被害については、平壌市内を流れる大同江含め各地の重要河川が氾濫の危機に直面しているようであり、今日まさに脅威の渦中にある問題となっている。昨日の本ブログでも指摘したところだが、そのような中で、両者に関する報道面での比重がほぼ均衡している(いわんや別項で紹介した昨日開催の政務局会議では、両者のうちではコロナ対策だけが取り上げられている)ということは、ある意味、不思議なことではないだろうか。牽強付会かつ根拠なき憶測であるが、コロナ対策に金与正が何らかの形で関与している可能性について、視野にいれておくべきかもしれない。