rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

10月18日 党政治局メンバーについて

 

 遅くなってしまったが、去る10月10日の党創建75周年関連行事の出席者報道に基づき、党政治局メンバーの現況を整理してみた。基本となるのは閲兵式参加者の報道における「党中央指導機関メンバー」であるが、この際は軍関係者の名前は別途に報じられているので、その序列については、両者が一緒になっている金正恩の慶祝代表との記念写真撮影の際の報道順序を参考にした。氏名の幹事は音訳を含む。カッコ内は、主な役職である(聯合通信人物データベースによる。?は推測)。

 まず常務委員会メンバーは次の5人である。

金正恩(国務委員長、党委員長、党中央軍事委委員長)

崔竜海(国務委員会第一副委員長、最高人民会議常任委員長)

李炳哲(国務委員会委員、党副委員長・軍需工業部長、党中央軍事委副委員長)

金徳訓(内閣総理)

朴奉柱(国務委員会副委員長、党副委員長)

  • 金正恩を除く4人の中で、政治局・国務委員会・政務局・中央軍事委の4機関に席を占めているのは、李炳哲だけである。また、朴奉柱は、序列的には新任の金徳訓よりも下位になってしまった。その金徳訓は、今のところ国務委員に選出されていない。

 以上の常務委員を除く政治局委員は、次の10人である。

김재룡金才竜(党副委員長・部長)

리일환李日愌(党副委員長・宣伝扇動部長)

최휘崔輝(党副委員長・勤労団体?部長)

박태덕朴太徳(党副委員長)

김영철金英哲(党副委員長)

박정천朴正天(朝鮮人民軍総参謀長、中央軍事委委員)

최부일崔富日(党軍政指導?部長、中央軍事委委員)

김수길金秀吉朝鮮人民軍総政治局長、中央軍事委委員)

태형철太炯哲(最高人民会議常任委員会副委員長)

오수용吳秀容(党副委員長・部長?)

  • こうして並べてみると、金才竜は、いわば党中央委部長の筆頭の地位にあり、組織指導部長である可能性も考えられる。朴太徳は、2月に「官僚主義」を批判されて解任されたが8月に復活、従前同様農業部門を担当か。崔富日は、序列からみて、何故、党副委員長の肩書が与えられないのか不思議。一方、吳秀容は、ほとんど活動が伝えられることなく、今でも党副委員長・部長の地位にあるのか疑問。

 次に政治局候補委員は、次の12人となる。

김형준金衡俊(党副委員長・国際部長、国務委員会委員)

허철만許哲万(党幹部部長)

조용원趙勇元(党組織指導部第一副部長)

김여정金与正(党組織指導部第一副部長?)

박명순朴明順(党軽工業部長?)

정경택鄭慶沢(国家安全保衛相、国務委員会委員)

김일철金日哲(内閣副総理・国家計画委員会委員長)

임철웅任哲雄(内閣副総理)

리룡남李龍男(内閣副総理・対外経済担当?)

김영환金英愌(党平壌市委員会委員長)

박정남朴正南(党江原道委員会委員長)

김정관金正寬(人民武力相、中央軍事委委員、国務委員会委員)

 ※金正寛の序列は不明のため最後においた。

 

 なお、これまで政治局メンバーと目されていたがここに名前が出てこない人物としては、政治局委員とみられていた朴泰城(党副委員長)、李萬建(2月に組織指導部長を解任された後、8月、第一副部長として復活)及び候補委員とみられていた리호림李浩林(党部長)、리히용李熙用(前・党咸鏡北道委員長)、조춘룡趙春龍(第2経済委員会委員長)、전광호全光浩(党科学教育部長?)らがいる。これらの者が政治局メンバーの地位を解任されているのか否かは、今次行事への不出現だけでは確定しがたいが、例えば、最近の報道で序列が格下げされている朴泰城や最近その地位を更迭された李熙用などは、解任されている可能性が高いと考えられる。