rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

12月2日 「全人民的攻撃戦で継続革新、継続前進 人民経済諸部門、単位で11月戦闘目標完遂」

 

 標記記事は、経済各部門の11月における「80日戦闘」の取組み結果について、それぞれ次のように報じている。

・金属工業部門:「鉄鋼材生産を力強く推進している」

・電力工業部門:「増産の力強い槌音で全人民的攻撃戦に一層の活力を与えている」

・石炭工業部門:「11月に計画より多くの石炭を生産した」

・機械工業部門:集団的革新を起こし、11月戦闘目標を超過遂行した」

・鉄道運輸部門:「増送闘争の火の手を強く燃え上がらせている」

林業工業部門:「気勢もよく取り組んでいる」

軽工業部門:「戦闘目標遂行に拍車を加えている」

 以上のような文面から推測するに、部門全体として11月の目標を達成できたのは、石炭工業部門と機械工業部門だけであったと推測できる。ちなみに、昨日掲載の関連記事(昨日付け本ブログ参照)は、電力、鉄道運輸、石炭の3部門についてやや曖昧な表現をしていたが、今日の記事は、「目標達成」部門とそうでない部門について表現が使い分けられており、実情をうかがわせるものといえよう。ただ、昨日、上記3部門について大同小異の表現が用いられていたことからして、電力及び鉄道運輸部門においても、「完遂」ではないにせよ、それに近い成果を上げているとも考えられる。一方、「経済の長男」と称する金属工業部門に関しては、前半の成果を報道した際には、銑鉄、鋼材など主要製品の目標達成をうたっていたが、今回は前述のような曖昧な表現にとどまっており、陰りがうかがえる。また、金属工業部門と並んで「経済の二本柱」の一つとされていた化学工業部門に関しては、同記事では言及すらなく、不振がうかがえる。

 ちなみに、本日の「燃える忠誠心と闘争熱は80日戦闘の力強い推動力」と題する社説の中では、「(既に)国家経済発展5か年戦略目標を占領した部門と単位」として、「鉄道運輸部門と紡績工業部門、祥原セメント連合企業所、亀城工作機械工場、鏡城碍子工場」の名前があげられている。経済全体からするとごくわずかにとどまっているとみるべきであろう。