rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年3月17日 社説「新たな国家経済発展5カ年計画の初年度進軍において英雄的金日成金正日労働階級の気概を力強く轟かせよう」(3月18日記)

 

 標記社説は、全国民に向けて本年度課題貫徹に向けた奮闘を呼びかけたもので、そのために次の4点の課題を提示している。

 第1は、「(各自が)託された計画を無条件に遂行するとの革命的気風を高く発揮」することである。そして、そのためには、「自力更生。刻苦奮闘の闘争精神」が重要であるとし、「科学者、技術者だけではなく、生産者大衆が原料、資材の国産化再資源化のため常に頭を使い粘り強く努力」することを求めている。

 第2は、「人民経済のすべての部門、すべての単位で新基準、新記録を創造するための果敢な突撃戦を展開」することである。これは、要するに従前以上の生産実績を上げることを求めるものと考えられるが、その方法論としては、「(各職場の)作業班の役割を高めることが重要である」として、「特に作業班長が生産者大衆の知恵と創造的積極性を最大に発揚させ、集団的革新が起きるよう率先垂範」すべきことを強調している。

 第3は、「科学技術によって5か年計画遂行の突破口を開いていく」ことであり、具体的には、「大衆的技術革新運動の積極的に参加し計画遂行に貢献する創意考案、技術革新案を多く提出」することを求めている。

 第4は、「労働階級(一般労働者の意)の革命的熱意と創造的積極性を最大限発揚させるための(党組織による)組織政治事業を強化」することである。

 以上のような社説の内容は、指導部が生産現場における、いわば「下から」の改善改良の動きを強く期待していることを示したものと考えられる。換言すると、労働者からのそうした積極的参画を引き出すことが重要な課題になっている(つまりは難しい)ということであろう。