rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年3月21日 朝鮮大学校の卒業式挙行を報道

 

 本日の「労働新聞」は、「総連朝鮮大学校第63回卒業式開催」と題する記事を掲載し、3月14日に同校の卒業式が挙行された旨を報じた。

 同記事によると、卒業式では、総連中央常任委員会第一副議長である朴久好が「祝賀発言」を行い、「朝鮮大学校は、偉大な首領様(金日成)の主体的な海外僑胞運動思想を高く奉じて愛国先代たちがこの異国の地であらゆる心血を注いで創立し、偉大な将軍様金正日)が常に格別に支えてくださり導いてくださった、共和国の尊厳高い海外大学である」と強調したそうである。また、卒業生には「朝鮮民主主義人民共和国教育委員会と総連中央常任委員会朝鮮大学校(からの)表彰状などが授与され」たほか、「(おそらくは卒業生又は学生一同から)敬愛する金正恩元帥様に捧げる手紙が朗読」されたともしている。

 この記事は、朝鮮大学校を「総連朝鮮大学校」と記しており、総連第一副議長が同校を北朝鮮の「海外大学である」と「強調した」と伝えている。また、同校の(おそらくは最優秀とされた)卒業生に北朝鮮教育委員会(日本の文部省に相当)からの表彰状が贈られたという。

 本ブログで以前にも指摘していることの繰り返しだが、朝鮮大学校を最高学府とする朝鮮人学校に関しては、公的な支援対象から除外されていることについて、「民族差別」等の批判があるようだが、その際には、「普通の学校」であることばかりを強調する一方、以上のような北朝鮮朝鮮総連との密接な関係については口を拭っているように思えてならない。そのような実情についても「尊厳」を持って明らかにした上で、要求すべきは要求してほしいものである。

 余談だが、今次卒業式に許宗萬議長が出席していないことが気になる。以前は必ずと言っていいほど出席していたように記憶しているのだが、体調不良であろうか。