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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年4月7日 朝鮮労働党第6回細胞秘書大会が開幕

 

 本日の「労働新聞」は、標記大会が金正恩の指導の下、4月6日から開催されていることを報じた。なお、同大会参加者については、既に、3日に平壌に到着、4日に錦繡山太陽宮殿参拝、5日に万景台革命史跡地(金日成生家)や博物館などを参観といった動向が報じられていた。

 報道によると、大会では、まず金正恩が「開会辞」を述べた。そこでは、細胞秘書が果たすべき役割の重要性を強調するとともに、「細胞秘書の交代が早く、今ちょうど事業を始めた細胞秘書が多い」との状況の下で、「細胞秘書と周期的に会い、細胞事業を共に討議し、指導的支援を与え、党細胞を強化する事業を絶え間なく継続して実施するのがわが党中央委員会の意図」であるとし、党大会と同様、党細胞秘書大会を5年ごとに開催することを党規約に盛り込んだことを改めて指摘し、とりわけ、「(末端組織の責任者と)党中央が直接対座して事業を討議する」ことの意義を強調した。

 あわせて、「党中央が常に党員大衆の中で事業する党細胞秘書としばしば会って意見を聞き学ぶことは、この過程を通じて広範な党員大衆と勤労者の共感し彼らの意思と要求に合うよう革命と建設を領導するため」と述べて、大衆の実情に耳を傾けるとの意向を示した。

 その上で、同大会の場で、「これまでの期間の成果と経験、欠陥と教訓について、自らの事業を顧みつつ、党細胞事業を人々の心との事業、感情情緒の事業としてしっかりと転換」することなどに努めるよう訴えた。

 また、「開会辞」では、同大会の参観者が「生産現場で事業する模範的な細胞秘書を基本」とした諸部門の細胞秘書のほか道、市・郡級党組織の幹部らを合わせて1万名に達することを明らかにした。

 次に、趙勇元党秘書(常務委員)が「党細胞の戦闘力と闘争力をより高め党8回大会が提示した5か年計画を無条件決死執行しよう」と題する報告を行った。同報告は、前段は金正恩の党組織活動に果たした業績に対する紹介・称賛であり、後段において、これまでの党細胞活動における「成果と欠陥」について、様々な類型について言及がなされ、欠陥については、「厳重に批判」した模様である。こうした成果と欠陥をそれぞれ紹介する方法は、党大会以降、恒例のスタイルになっているといえよう。

 その上で、「党細胞強化のための課題」を論じ、「火力を党8回大会決定貫徹に集中し、当面して新たな5か年計画の初年度課題を決死貫徹することに志向させる」よう訴えた。

 「報告」に続いて13人の細胞秘書が「討論」を行った。その所属組織を見ると、セメント連合企業所、鉱山、火力発電所、製鉄連合企業所、肥料連合企業所、協同農場、国土環境管理部、炭鉱、水産事業所、検察所、果樹協同農場、児童食料工場、電機工場となっており、様々な部門から選ばれていることがうかがわれる。

 報道は、「大会は続く」としているので、2日目以降も「討論」が続行されることも考えられる。

 とりあえずの印象としては、金正恩の開会辞が非常に懇ろな口調であることで、また、日常的に大衆に接している細胞秘書を通じて大衆の意向を把握したいとの意向を表明したことも(口先だけであるかもしれないが)注目される。