rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年8月3日 渇水対策の次は大雨・洪水対策

 

 8月2日付けの「労働新聞」は、「洪水と暴雨、風雨被害を防ぐための対策を隙間なく立てよう」との共通題目の下、今後の大雨などに関する見通しとともにそれへの対策に万全を尽くすよう訴える記事を掲載した。

 そのうち、「予見される気象条件と農業生産に提起される問題 該当部門幹部と交わした話」と題する記事は、「気象水文局中央気象予報隊隊長」の発言として、

・「去る7月12日から我が国のほとんど大部分の地域では暴炎による渇水現象が持続的に生じた。これから8月上旬期間には、雨がしばしば降る天候に変化する」との概況と

・「(8月)2日と3日には、全般的地域で明けが降り、特に平安南道、慈江道、咸鏡南道の一部地域で暴雨を伴う大量の雨が降るであろう」

・「5日から7日の間には、西海岸を中心に全国の大部分の地域で雨が降り、一部地域では暴雨が予見される」

との当面の見通しを伝えている。

 その上で、こうした気象予報を踏まえた「農業省責任部員」の「洪水により農作物が被害を受けないよう農業技術的対策を徹底して立てなければならない」との発言を報じている。

 また、3日付け朝鮮中央通信の「8月に長雨前線の影響により暴雨と大雨が予見」と題する記事(「ウリ民族キリ」のホームページでは、「労働新聞」の記事とされているが、同紙のホームページ記事一覧には未掲載)は、「気象水文局の通報による」として、

・「3日から7日の間に・・平安北道をはじめとした西海岸、慈江道、咸鏡北道咸鏡南道の一部地域で暴雨を伴った大量の雨が降るであろう」

・「8月中旬と下旬には、・・西海岸と東海岸中部以南の一部地域で暴雨を伴った大量の雨が降るものと予見」

・「8月下旬と9月上旬には東海岸地域で弱い寒冷現象も生じるものと予見」

などの見通しを伝えている。

 このところの「労働新聞」の記事や朝鮮中央通信のテレビニュースなどでも、こうした気象条件の転換を受け、ついこの間まで渇水対策に大わらわであった各地農業部門において、今度は大雨・洪水対策に力を注いでいる状況を報じている。