rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年9月23日 社説「社会のすべての成員を革命化、労働階級化することについての党の方針を一貫して堅持していこう」

 

 標記社説は、冒頭で「すべての勤労者を革命化、労働階級化することは、我が党が一貫して提起している方針である」とした上で、人々を「革命化、労働階級化する」ことの意義及びそのための方策などを論じたものである。

 まず、その意義については、「幹部と党員と勤労者を革命化、労働階級化するということは、彼らを党中央の思想と領導に無限に忠実な熱血戦士、革命性と組織性、集団主義精神が強い真の革命家として準備させることを意味する」とし、あわせて、それは「彼らを立派な精神道徳的風貌を帯びた真の人間として育てるためにも切実な要求」であると主張している。

 次に、その実現のための方法論、課題としては、まず「(党、大衆団体などにおける)組織思想生活を強化」することをあげる。その具体的内容としては、思想教育などのほか、「組織の任務分担を遂行する過程を通じて組織性と規律性を育て、革命的道徳観を帯びるように積極的に導いてやる」ことを挙げている。これを換言すると、「党大会と重要党会議の決定貫徹のための実践闘争の中で革命化、労働階級化を力強く推し進める」こととなろう。

 そして、そのための宣伝方法としては、「前世代の革命精神を固く継承していくよう教養(教育)事業をより実質的に展開」することなどを訴えている。

 このほか、「すべての人民が自分を革命化、労働階級化するための事業に自ら奮い立たなければならない」との要求も掲げている。ここで注目されるのは、それに関して「過去に祖国と人民の前に大きな功績を立てたからといって、革命性と闘争力、実践力が強かったとしても、革命的鍛錬を不断に強化していかなければ敗北主義者へと徐々に変質し革命の妨害者、道徳的背倫児に陥るということは歴史が示す真理であり法則である」として、特に幹部に対して不断の自己鍛錬を訴えていることである。

 同社説からは、北朝鮮においては、「社会のすべての成員」が「幹部」「党員」「勤労者」に分類されることが改めてうかがわれるが、前述のような論旨からは、その中で最も切実に「革命化、労働階級化」が要求される対象として、「幹部」それも過去に実績を上げた者が想定されていようにも思われるのは、誠に皮肉なことといわざるをえない。