２０２２年１月１０日 党中央委第８期第４回全員会議コメント（その４：人事関係）
時期を逸してしまったが、標記会議における人事異動結果に関し整理しておきたい。
その概要は、１月１日の本ブログで記したとおり、同日「労働新聞」に別途掲載された全員会議「公告」において、朴正根（内閣副総理兼国家計画委員会委員長）を政治局委員に、李泰摂（社会安全相）を政治局候補委員に選出したほか、中央委員に２１人を、同候補委員に２２人を選出したことが明らかにされている。
このうち、中央委員及び同候補委員に選出された者を聯合通信ホームページの人物検索機能を用いて調べてみたところ、非常に興味深い結果が得られた。
まず、中央委員に選出された者２１人の内訳を見ると、１０人が内閣のメンバー、５人が地方の人民委員会、農村経理委員会及び主要連合企業所の責任者であった。残りは、昨年９月に新任された中央裁判所長を除くと個人特定ができない者などである。
一方、候補委員に選出された者２２人の内訳を見ると、１０人がこれまで中央委員の地位にあった者（要するに今次、候補委員に降格）であり、そのうち９人が軍団長クラスの軍高官であった（他の１人は個人特定不能）。
残りの１２人は昇格と思われるが、女性同盟委員長に昨年選任された者を除くと、経済部門関係者が４～５人、軍関係者が２～３人、個人特定できない者４人となる。
総じて経済部門関係者を手厚く処遇している一方、軍高官への厳しい処遇が注目される。これだけ多数が一律的に降格されていることから個人的な問責というよりは、軍団長クラスに対する位置づけを下げた可能性の方が大きいように思われるが、その理由・背景に何があるのかは判然としない。このところ、「軍事」自体に対する国策上の位置づけは、上昇傾向にあると思われるが、そうした中で、軍人に対する位置づけが低下するというのは興味深い現象といえよう。いずれにせよ、背景が注目される。こんな人事をして、軍の士気は下がらないのだろうか。
以下は、今次会議で選任された中央委員、候補委員の主な経歴である。役職の前の数字は選任又は確認の年月を、？はそれが確認できないことを示す。最後の？は、今次選出されたのがその人物であるのか疑問の余地が残ることを示す。
中央委員
한룡국동지：２０１９．４林業相、２１２１．１候補委員
왕창욱동지：２０１９．４原子力工業相、２１２１・１候補委員
주용일동지：？情報産業相、２０２１．１候補委員・逓信相
서종진동지：２０２１．１候補委員、建設建材工業相
리혁권동지：２０２１．１候補委員、国家建設監督相
진금송동지：２０２１．１候補委員、労働相
임경재동지：２０２１．１候補委員、都市経営相
김일국동지：２０１６．１２体育相、２０１８．４候補委員
채성학동지：２０２１．１候補委員、中央銀行総裁
리철산동지：２０２１．１候補委員、中央統計局局長
강형봉동지：２０１３．５平安南道人民委員会委員長、２０１６．５候補委員、
계명철동지：２０１２．４平安南道農村経理委員会委員長、２０２１．１候補委員
리정길동지：？順川地区青年炭鉱連合企業所党委員長（責任書記）、２０１９．１２候補委員
리경호동지：２０２１？順川セメント連合企業所支配人、２０２１．２候補委員
오금철동지：２０２０剣徳鉱業連合企業所党委員長（責任書記）、２０２１，１候補委員
김복남동지：２０１２．４軍少将、２０２１．１候補委員？
리창성동지：特定不能
김화성동지：？平壌国際映画祭典委員会書記長、２０１９．３最高人民会議代議員？
박태성동지：特定不能
차명남동지：２０２１・９中央裁判所所長
김광혁동지：特定不能
候補委員
심홍빈동지：２０１９．１２候補委員、２０２１．１中央委員
김정길동지：特定不能
박수일동지：２０２０人民軍第１軍団長、２０２１・１中央委員
리경천동지：２０２０中将、第１０８機械化歩兵師団長、２０２１・６中央委員
박광주동지：２０２０人民軍第４軍団長、２０２１．１中央委員
최춘길동지：２０２０人民軍第７軍団長、２０２１．１中央委員
송영건동지：？人民軍第９軍団長、２０２０，６中央委員
리봉춘동지：２０２０人民軍第１２軍団長、２０２１．１中央委員
고인철동지：２０１９．４人民軍少将、２０２１．６中央委員
최광일동지：？首都防御軍団長、２０２１．１中央委員
송석원동지：？平壌地区高射砲司令部司令官・中将、２０１９．１２中央委員
김광일동지：２０１６．２海軍少将？
김정순동지：２０２１．６女性同盟委員長
박성철동지：？千里馬製鋼連合企業所支配人？
백형철동지：特定不能
최길룡동지：？人民軍第４６歩兵師団師団長？
최광준동지：２０２０．５軍上将（第７軍団長？）、２０２０．６候補委員
리경철동지：特定不能
고남혁동지：２０２０．６国家品質監督委員会局長？
조석호동지：？首都建設委員会委員長
강명철동지：特定不能
최룡길동지：？国家計画員会副委員長
