rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年7月30日 新型コロナの「新規有熱者の発生なし」と発表

 

 本日の「労働新聞」が掲載した国家非常防疫司令部の発表によると、7月28日午後6時から29日午後6時までに新たに発生した「有熱者」はなしとのことである。新規「有熱者」数については、25日の発表(24日まで)で初めて二けた台(50余人)とされたが、それから5日を経て、とうとう発生者「0」に至ったということになる。

 これ自体は、にわかには信じがたい数字だが、それにしても、これまでにも繰り返し述べているように、国内におけるコロナの感染状況が基本的に収束の方向に進んでいる、それもかなりの抑え込みに成功しているからこそ、このような数字を発表できるのであろう。

 こうした「成果」の背景に関し、25日の本ブログで北朝鮮の社会全般に対する統制力が他国に比較できないほどの水準で機能していることを認識させるものと記したが、本日掲載の関連記事も、「防疫大戦は祖国保衛戦、人民死守戦 全人民的な防疫事業で我が社会特有の組織力と団結力をより高く発揮」との見出しを掲げて、国内の防疫活動を報じている。ここで用いられた「我が社会特有の組織力と団結力」というのは、単なる自賛ではなく、北朝鮮体制の特質を的確に反映した表現と思われる(それが称賛されるべきものであるのか否かは別問題として)。