rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年1月26日 平壌市住宅建設への青年動員運動を開始

 

 本日の「労働新聞」は、先の中央委員会第8期第6回全員会議で、金正恩が、従前から推進中の平壌市内5万世帯住宅建設に向けた華城地区2段階1万世帯に加えて提示した「新しい3,700世帯街区」の建設について、「そのやりがいのある栄えある新街区建設を青年にすべて任せて下さる最上最高の信頼を抱かしてくださった」ことを明らかにした上で、それを受けた青年同盟の対応を報じる記事を掲載した。

 同記事によると、「しばらく前、社会主義愛国青年同盟中央委員会では、青年を首都建設のやりがいのある新戦区へと招いて下さった敬愛する父元帥様の空のような信頼と期待に忠誠で報い、勝利の報告、栄光の報告を捧げる栄光のその日を促進するため、全国の青年同盟組織と青年たちに送るアピール文を発表した」という(記事には、同アピール文を掲載した1月24日付け「青年前衛」(青年同盟機関紙)の紙面写真を掲載)。

 そして、「アピール文に接した各地青年の気勢は天を衝くように高く、新街区建設場への(進出を希望する)嘆願熱気は日を追って高潮しいている」として、「24日、平安北道青年同盟委員会では、道芸術劇場で首都の新街区建設に奮い立った道内の青年前衛の嘆願集会、決意集会を行った」ほか、「各地の市、郡青年同盟組織でも嘆願集会、決意集会が行われた」ことを報じている。

 今年1月1日の中央委員会全員会議に関する報道では、金正恩平壌市内への「新たな3,700世帯街区」建設方針を提起したことは報じられていたが、それを「青年にすべて任せる」としていたことについては触れられていなかった。

 1月24日付けの本ブログで触れたとおり、金正恩は、同会議で「愛国運動」の強化を訴えており、この新街区建設への青年動員方針も、それと一脈通じるものであろう。そうした運動の展開を通じて、従前の計画(毎年1万戸)以上の住宅建設成果を上げると同時に、それを成し遂げた青年の愛国心を一つの宣伝材料とすることを目指しているのであろう。更に言えば、青年にそうした「栄誉」を与えて下さった金正恩の指導、恩徳がまた、称賛の対象となるのであろう。そうした意図は、前掲の記事の表現からも容易に見て取ることができよう。