rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年7月9日 金日成逝去30周年に際しての追慕行事を報道

 

 本日の「労働新聞」は、7月8日に行われた標記行事を報じる記事を掲載した。その主なものは、次のとおりである。

  • 金正恩が「民族最大の追慕の日に際し錦繡山太陽宮殿を訪問」(金徳訓、趙勇元、崔竜海、李炳哲(以上常務委員)ら党・政府・軍の幹部が同行)
  • 「偉大な首領金日成同志逝去30周年中央追慕大会」を開催(金日成広場にて。金正恩以下前掲常務委員ら幹部出席、金永南、朴奉柱ら「老幹部」が招待席に着席。李日換「追慕辞」)
    • 別途記事:各道・直轄市でも追慕大会を開催
  • 「偉大な首領金日成同志逝去30周年追慕音楽会」を開催(三池淵劇場にて。金正恩、金徳訓総理、崔善姫外相ら及び金永南、朴奉柱らが観覧(写真では金正恩付近に金成男国際部長、金予正の姿)

 なお、これに先立ち、金日成逝去30周年に際しての、青年同盟(5日)、女性同盟(4日)、職業総同盟(4日)、農業勤労者同盟(5日)による「徳性発表集会」及び「社会科学部門研究討論会」(5日)が開催されていた。

 こうした行事開催の狙いについての見方は、昨日の本ブログで記した通りであるので再論は控える。

 ただし、留意すべきは、これら行事の会場写真などを見る限りでは、党中央幹部学校で見られたような形での金日成金正日金正恩肖像画の並列掲示や党中央委全員会議で「登場」した金正恩バッジの着用が認められないことである。そうしたスタイルの普及については、慎重に進めていることがうかがえる。そうした現象が社会全般に一般化されるまでには、今少し時間がかかるのかもしれない(ただし、本日報道行事での金正恩バッジ着用はアップの写真なく未確認。今後、テレビ報道などで確認の要)。

 追記:金正恩バッジについては、韓国聯合通信の報道によると、一部の高位幹部のみ着用の由。高位幹部がそうであれば、一般大衆への普及には時間が必要であろう。