2024年8月2日 社説「党員たちよ、党中央の呼びかけを奉じて転禍為福の奇跡を創造する闘争において先鋒的役割をまっとうしよう」
本日の「労働新聞」に掲載の標記社説は、いうまでもなく平安北道、慈江道などにおける洪水被害の復旧に向け、党員の献身・奮起を呼びかけるものである。
したがって、中心的な訴えは、先の政治局会議で決定された、復旧活動のための「党員連隊」に関連した、「今こそ、各道の党員が(咸鏡南北道の災害復旧に参加した)首都党員のように被害復旧戦区ごとに党中央の別動隊としての気概と姿勢を余すところなく発揮しなければならない」などの主張である。
ただ、それと同時に、以下のような論法で、実際に被災地に動員される党員以外の大多数の党員に対しても、それに参加した気持ちで日常の職務に励むよう督励している。
「身はたとえ被害復旧現場と遠く離れていても心は常に党員連隊の隊員であるとの自覚を抱いて生きるのが真の党員の姿勢である。党中央の信頼に報いようとの覚悟と意志さえあれば、どこでどんな仕事をしていても被害復旧事業に貢献することが出来る。すべての党員が受け持った哨所と職場において1グラムのセメント、1メーターの鉄筋でも増産するとき、被害復旧事業は、それだけ促進されることとなり、労働党万歳の声、社会主義万歳の声はより力強く沸き上がることになるであろう」
また、今次洪水被害の実情について、政治局会議の報道に置けるものを除き具体的な報道がほとんどない中で、「被害地域の惨状は考えていたのよりもはるかに酷いかもしれず、建設条件と環境はより苛酷になるかもしれない」との記述が注目される。
いずれにせよ、そうした苛酷な事態の発生を国内の結束・動員強化の契機として巧みに利用する金正恩のレジリエンスの高さについては、昨日の本ブログで言及したばかりだが、本社説でも、それに関連して、「祖国の前に峻厳な難局が醸成されるたびに全党の党員の核心的、先鋒的役割によって、禍を福に、逆境を順境に転換させていくのは、我が党特有の領導方式、闘争方式である」と主張されている。誠におっしゃるとおりと言わざるを得ない。