2024年8月4日 党員、青年による水害被災地復旧への「嘆願」状況を報道
本日の「労働新聞」は、「党中央の呼びかけを奉じて被害復旧戦域で奇跡的勝利を成し遂げよう」(サブタイトル:「全国の党員と青年の嘆願熱意、爆発的に高潮」)と題する記事を掲載した。
同記事は、党中央委第8期第22回政治局非常拡大会議の決定を受け、「全国的に数多くの党員と青年が被害復旧戦域へと駆けつけることを熱烈に嘆願し、その隊伍は時間と共に爆発的に増えている」として、各地の「嘆願」状況を紹介するものである。
そこで示された「嘆願」者数を見ると、まず、党員について、人数が多いところとしては、首都党員が「数万名」、平安南道で「13万510余名」、黄海北道で「11万余名」、咸鏡北道で「2万5千余名」、清津市浦港区域で「1700余名」、南浦市温泉郡で「4000余名」 などと報じている(合計数の記載はなし)。
また、青年に関しては、全国あわせて「(3日現在で)18万9350余名」と総数を示している。
「嘆願」者は、更に増えていく由なので、最終的にどれだけの数に達するのか予測しがたいが、いずれにせよ、それだけ膨大な「嘆願」者すべてを被災地に動員することは、輸送・宿泊などの面でも無理があり、実際に現地に行くのは、すべての「嘆願」者の中のごく一部に限定されることになると思われる。
したがって、こうした「嘆願」活動を実施し、また、その盛り上がりぶりをこうして喧伝する主な狙いは、実際の復旧のための労働力確保というよりは、むしろ、8月2日付け本ブログで紹介したような、「身はたとえ被害復旧現場と遠く離れていても・・党中央の信頼に報いようとの覚悟と意志さえあれば、どこでどんな仕事をしていても被害復旧事業に貢献することが出来る」といった覚悟を国内に幅広く植え付けることにあると考えられる。
ちなみに、政治局決定では、動員対象として、「党員連隊」はあったが、「青年」については直接言及されていなかった(7月31日付け本ブログ紹介の「決定書」内容参照)。それなのになぜ「青年」が「嘆願」するのか、当初は不思議であったが、「決定書」で「白頭山英雄青年突撃隊」が人民軍と共に新義州市などの住宅建設にあたるとされていたことを思い出した。「青年」の「嘆願」は、同突撃隊への参加を「嘆願」するものと考えられる。