2024年9月23日 崔善姫外相の訪ロ動向を報道
9月22日付け「労働新聞」は、訪ロ中の崔善姫外相が「18日から20日までロシアのサンクトペテルブルクで行われた第4回ユーラシア女性フォーラムと第1回BRICS女性フォーラムに参加した」ことを報じる朝鮮中央通信の記事を掲載した。その骨子は、次のとおりである。
ア 第4回ユーラシア女性フォーラム(テーマ:「21世紀の外交と地政学:世界的な課題解決に対する女性の観点」)における演説
- 「世界の各地で地政学的対決と衝突が止まず、世界の平和と安定が重大な脅威にさらされている根源は、・・米国とその追随勢力の強権と専横にある」
- 「(北朝鮮は)国家の自主権と尊厳、人民の安泰を脅かすいかなる敵対的行為に対してもいささかも黙過しない」
- 「ウクライナ事態は・・米国と西側の反ロシア対決政策の直接的所産であると暴き、・・ロシア軍隊と人民の正義の聖戦に変わらない支持を表明した」
- 「(北朝鮮は)平等な多極世界建設と世界の平和と安全の保障のために自分の責任ある使命を全うしていくであろう」
イ 第1回BRICS女性フォーラム(「未来のBRICS:協力展望」テーマの戦略会議)での言動
- 「一方主義(日本語訳「一国主義」)を排撃し、多務主義(同「多国間主義」)を志向する国際社会の大きな関心と期待の中で行われる今回のフォーラムが全ての参加者の積極的な共感と支持を受け、立派な結実をもたらすものとの確信を表明」
崔善姫外相は、前述両会合への参加を目的として9月16日に平壌を出発、17日には、モスクワでラブロフ外相と会見し、「朝ロ間の包括的戦略同伴者関係に関する条約の精神にあわせて二国間関係を各分野にわたって拡大発展させ、国際舞台で相互協力を一層強化するための有益な意見交換」を行ったと報じられていた。
なお、両会合には、「朝鮮とロシア、ベトナム、ラオス、ベラルーシ、ウズベキスタン、セルビア、ウガンダ、カタールをはじめとする120余カ国の高位女性政治家と企業界、学界、各界の代表が参加した」とのことである。
崔善姫外相の前掲のような演説は、各国の参加者にどのように受け止められたのであろうか。参加国の顔ぶれから推測するに、日本での大方の見方とは異なり、それなりに共感を得た可能性もあろう。「国際社会」と言っても、一様ではないことに思いをいたすべきと考える。