2024年11月18日 朝鮮人民軍第4回大隊長・大隊政治指導員大会の開催を報道
本日の「労働新聞」は、標記大会が11月14,15の両日開催されたこと及び金正恩が15日午後、同大会参加者に対し、「現情勢と共和国武力の大隊長・大隊政治指導員の任務について」と題する演説を行ったことなどを報じる記事を掲載するとともに、金正恩演説の全文を掲載した。それらの骨子は、次のとおりである。
ア 大会概要
- 出席者等:「共和国武力の大隊長・大隊政治指導員と各軍政機関の指揮官」、「努光鉄国防相、朝鮮人民軍の李永吉総参謀長、朝鮮人民軍の鄭慶沢総政治局長と各軍政機関の主要指揮官」らが主席檀の着席
- 党中央軍事委員会の大会参加者あて書簡(「大隊の強化における確実な進展をもって強兵建設偉業を担保しよう」)の伝達:「国家の主権と安全を侵害する軍事的挑戦だけでなく、人民の生命・財産を脅かす突発的な危機状況にも主動的に対処」を評価、「大隊を党中央の軍指導に絶対忠誠、絶対服従する思想と信念の結晶体につくり、戦闘精神が透徹し、臨戦態勢に完璧であり、軍紀が刃のように厳格な精鋭化された戦闘隊伍に強化するための重要課題と実践的方途が提示」
- 報告(努光鉄国防相):①前回大会以降の成果:「全ての大隊が党中央の思想と指導に絶対忠誠、絶対服従する決死擁護の前衛隊伍に一層しっかり準備された」、「有事の際にいかなる戦闘任務も迅速かつ正確に遂行できる万般の実戦能力を備えるための戦争の準備ではっきりした改善をもたらした」、「大隊、中隊を血肉の情が溢れる兵士の懐かしい故郷の村、故郷のわが家につくるための活動で立派な経験が創造された」、②「大隊の強化で必ず克服すべき偏向的問題も分析・総括」
- 討論(複数):「野戦型、実力家型、行動型の指揮官、火線猛将として準備し、大隊の戦闘力の強化を力強く牽引していく固い決意を表明」
- 国家表彰授与式(鄭慶沢総政治局長が常任委員会政令伝達):①金正恩同志の表彰状(4人)、②国旗勲章第1級(6人)、労働勲章(2人)、国旗勲章第2級(11人)、国旗勲章第3級(14人)、軍功メダル(6人)
- 金正恩演説(15日午後):「醸成された情勢と共和国武力の大隊長・大隊政治指導員の任務について」(骨子後述)
- 大会参加者のための講習(16,17日):「(金正恩の)綱領的な演説の基本思想と真髄を深く体得させることに基本目的」を置き、「金正恩総書記が大隊の強化に積み上げた不滅の業績を擁護・固守し、一層輝かす問題、醸成された情勢と現代戦の要求に即して大隊の戦争準備の完成に総力を集中する問題をはじめ、大隊の戦闘力強化のための重要かつ緊切な問題」を取り扱い
イ 金正恩演説の骨子
- 「大隊長・大隊政治指導員の純潔無垢で熱烈な愛国忠誠を評価・・重ねて感謝の念を表示」
- 「米国と傀儡韓国をはじめとする敵対勢力の反共和国軍事的対決狂態の威嚇的性格について暴き、革命の要求、現情勢の要求から戦争準備完成に総力を集中することに関する戦闘的スローガン」を提示
- 「大隊の位置と役割、大隊長と大隊政治指導員の基本任務について明示」
- 「命令を受ければ即時行動し戦える大隊、いかなる任務を与えても完璧に遂行できる万能の大隊に準備させることが・・必ず到達すべき目標であり、今次大会の精神」
「大隊長、大隊政治指導員大会」の開催は、2014年11月の第3回大会以来、10年ぶりである。
今次大会の主眼は、米韓(日)の軍事的圧迫状況を印象付け、それに対抗する戦争準備態勢の強化・完成の必要性・緊要性を認識させることにあると考えられる。
一方、注目のロシア派兵問題に関しては、直接的言及はなく、また、軍内部に同問題に関する情報が拡散した場合には(それも時間の問題であろう)、何らかの手当てが必要と思われるが、その準備とみられる動きもうかがいにくい。
なお、前述金正恩演説の骨子は、大会記事中における紹介部分からの引用であり、全文からの引用ではない。後者については、改めて注目点を紹介したい。