rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

11月29日 「第一も第二も第三も質、これが人民の要求である―第9回全国酒及び基礎食品展示会を見回って」(11月30日記) 11月26日の記事で開催を紹介した標記展示会会場の状況を紹介する記事である。 記事の標題からも明らかなとおり、同展示会…

11月29日 金正恩の「超大型放射砲の試験射撃参観」を報道 まず、飛翔体発射に関する事実関係については、韓国の聯合通信が報じたところでは、「韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は28日午後、東部の咸鏡南道・連浦から朝鮮半島東の東海上に超大型放…

11月28日 北朝鮮にとってのGSOMIA問題再論 先般、釜山で開催されたアセアン首脳会議への金正恩招請を拒絶した朝鮮中央通信記事(11月21日付け)について論じた際、GSOMIA問題との関連にも言及したが、問題提起で終わってしまった。以下、その問題に…

11月27日 「二項動態」論 10月22日の本ブログにおいて、「相補的接近」と称する分析方法論を提示したが、それに関連する標記の概念を発見したので紹介したい。 それは、野中郁次郎氏ほかによる『知略の本質』と題する戦略論に関する著書に提示されて…

11月26日 各種展示会の開催(11月27日加筆修正) 11月26日付けで、同月25日から29日までの予定で二つの展示会が開催されていることが報じられた。 一つ目は、科学技術殿堂で開催の全国保健部門科学技術成果展示会で、「医薬品、医療器具の国…

11月26日 論説「率直さと愚直さは革命家の重要な品性」 金正恩は幹部の「面従腹背」的姿勢について根深い懸念を抱いているのではないかとの仮説をかねて抱いてきたが、それを裏付けるような論説が掲載されたので、簡単に紹介したい。 同論説は、「長久の…

11月25日 金正恩が西部戦線(黄海南道)昌鱗島防御隊を視察 金正恩が韓国との最前線に位置する黄海上の島嶼部隊を視察したことが久々に報じられた。 同報道に関し、韓国では、金正恩が視察において防御隊海岸砲の実射を命じたこと、訓練の強化を指示した…

11月23日記事「甫田担当責任制を実情に合わせて行わなければならない―龍江郡浦城協同農場において」(11月24日記)(地名、農場名は音訳) 本記事は、「今年の農業生産において先頭に立った単位の経験」として掲載されたものであり、本ブログにおい…

11月22日評論「自存と依存」(11月24日記) 「自力更生」路線の必要性を主張するもので、その結論自体に新味があるわけではないが、いくつか注目される点があるので、簡単に紹介したい。 第一は、「自力更生」すなわち「自存」が決して唯一絶対の選…

11月21日朝鮮中央通信「すべてのことには、時と場所があるというものだ」 ~GSOMIA問題への影響~(11月23日記) 『労働新聞』への掲載有無の確認のため紹介が遅れたが(予想通り未掲載)、北朝鮮がまたも韓国のラブコールに冷水で答えたのが本記事…

11月22日 論説「着想力を持った幹部だけが単位事業を主導していくことができる」 金正恩にとって、守旧的幹部の仕事ぶりの改善が喫緊の課題になっているとみられる。では理想はどのようなスタイルか。それを示したのが本論説といえよう。 論説は、まず、…

11月21日 論説「社会主義企業責任管理制の実施と国家的指導管理の改善」 「社会主義企業責任管理制」は、金正恩時代における「改革」的経済施策の代表ともいえる制度であり、それが実際のところどのようなものであり、どのように運営されているのかは、…

11月20日 政論「主体朝鮮の絶対兵器」 勇ましい題名である。読者諸氏は、それが何を指すとお考えだろうか。「核兵器」あるいは最近開発中の短距離弾道ミサイルを想起されるかもしれない。しかし、少し北朝鮮と付き合いのある人間なら容易に想像できるよ…

11月19日 金正恩、朝鮮人民軍8月25日水産事業所と通川魚加工事業所を現地指導 また、金正恩の雷が落ちた。標記記事によると、「人民武力省に各部署があり、たくさんの将軍佐官が座っているが、誰も党において関心を持つ(8月25日)水産事業所において計…

11月17日 記事「幸福の光を守る人々―定坪郡中小型発電所運営・建設事業所において」(11月18日記) 短い記事だが、前掲の論説とも関連して、今、北朝鮮の勤労者に何が期待されているかを端的に反映しているとの考えから、紹介したい。 記事は、まず…

11月17日 論説「すべての分野で社会主義の優越性を高く発揮しよう」 表題からは想像しなかった興味深い内容の論説。ここで言う「社会主義」とは「我々式社会主義」を指すのであるが、「(その)優越性を高く発揚することは、特に今日、一層切迫した重要…

11月16日 論説「家庭礼儀道徳をしっかり守ることは家庭と社会の前に帯びた義務」(17日一部修正) 標記論説は、家庭内において、親子・夫婦の間で道徳的な正しい関係を築くことを訴えるもの。北朝鮮では、11月16日は「母の日」とされていて、同日付…

11月15日 評論「唯一の基準―実践」ほか2題 この評論のサブタイトルは、「忠実性教養を強化し、千万を党中央決死擁衛の戦闘闘士に育てよう」となっていて、これだけ読むと実に勇ましい、明日にでも戦争を始めそうな印象を受けるが、本文の主張は、それと…

11月14日 掲載されない「国務委員会スポークスマン談話」 北朝鮮は、13日、国務委員会スポークスマン談話を発表した。同談話は、米韓の合同軍事演習実施などを捉えて「6・12米朝共同宣言に対する露骨的な破棄」と決めつけ、米国が今後ともそのよう…

11月13日 北朝鮮は食糧不足なのか(「愛国米献納」再論) 昨日のブログで、「社会主義守護」との文脈の下で事実上「愛国米」の献納を奨励するかのごとき論説(12日付け)を紹介した。同論説については、韓国の聯合ニュースにも本ブログと同様の視点から…

11月12日 論説「コメで社会主義を守り我が革命を守護しよう」 標記論説は、標題のとおりコメの増産こそが北朝鮮体制を維持していく上での死活的課題であるとして、それに向けた奮闘を訴えるものであるが、これまでの本ブログでの論点とも関連する興味深…

11月11日 北朝鮮は何故、文政権を冷遇しているのか 本日は、労働新聞から離れて、標記についての思いつきを書き連ねてみました。 誠に未整理ながら、何かの参考になれば幸いです。 問題の所在 韓国文政権に対する北朝鮮の冷たい対応が続いている。最近の…

11月10日 ブログ開設1か月、愛読お礼とコメントのお願い 本ブログ開設からちょうど1か月がたちました。 ご愛読いただいている皆様に心から感謝申し上げまます。 引き続きよろしくお願いいたします。 なお、当初、「ご意見をお願いします」と書きながら…

11月9日 論説「真っ向から立ち向かう攻撃精神で革命を導かれる傑出した領導者」 金正恩を称賛する長文の論説が掲載された。北朝鮮指導部の自己認識ないしは国民に金正恩がどのような面で偉大であると認識させようとしているのか、についての方針をうかが…

11月8日 社説「科学技術重視観点と働きぶりを国風として徹底して確立しよう」 昨日、一昨日と科学技術重視の傾向について紹介したが、本日付けの標記社説もまさにそれと符合するものである。ややくどくなるかもしれないが、そのさわりを紹介したい。 社説…

11月7日 論説「教員陣営強化は教育強国、人材強国建設の重要な担保 教育事業発展の先決条件」 北朝鮮が近年、科学技術振興に全力で取り組んでいることは昨日のブログで述べたとおりであるが、それを実現するためには、まず教育の充実が必要であり、さらに…

11月6日 全国情報化成果展覧会―2019 本日付け『労働新聞』には、「数字経済を志向する情報化熱風を一層高潮させよう 全国情報化成果展覧会―2019を見て」との共通題目の下、同博覧会に関する多くの記事が掲載されており、写真が添付されているもの…

11月2日付け社説「新年課業貫徹に拍車を加え今年度戦闘を輝かしく結束しよう」(11月5日記) 掲載から少し間が開いてしまったが、標記社説を紹介したい。 内容は、見てのとおり、11月に入ったことを受けて今年もあと2か月、新年に際して立てた各部…

11月2日評論「社会主義分配原則を徹底して守ろう」(11月3日記) 本評論は、10月26日に紹介した10月25日付けの評論「分組管理制の優越性を高く発揮させよう」で言及されていた社会主義分配原則、とりわけ甫田担当責任制におけるその適用につい…

11月1日 「超大型放射砲の射撃実験実施」を報道 本日付け「労働新聞」が10月31日に国防科学院が標記実験を実施したことを写真付きで報じた。 「超大型放射砲の射撃実験」が報じられるのは、本年8月25日(実施は24日)、9月11日(同10日)に…