2025年1月25日 最高人民会議における内閣活動報告骨子
最高人民会議第14期第12回会議の第1議題「内閣の2024年の事業状況と2025年の課題について」に関する朴泰成総理の「報告」骨子は、次のとおりである。
ア 2024年の事業総括
- 「人民経済発展12の重要目標の達成に力を集中」、「前年比、圧延鋼材は143%、石炭は115%、非鉄金属は107%、窒素肥料は104%、セメントは102%、織物は108%に生産を成長」、「貨物輸送計画を108%で超過達成」、「穀物生産目標と国家穀物収買計画を超過達成」
- 平壌市、剣徳地区(160棟、1,500世帯)の住宅建設、平安北道、慈江道、両江道の水害地帯の復旧、農村住宅建設、江東総合温室農場建設などを推進
- 科学技術、保健、体育(スポーツ)分野などでも顕著な成果
イ 2025年の課題
- 中心課題:「5か年計画を完遂し、その成果を次の段階へと拡大」するため、「整備補強目標を無条件に占領し・・人民生活向上に明白な進歩を成し遂げる」
- 金属工業部門:生産設備と工程の現代化と正常稼働に注力、鉄鋼材を増産
- 化学工業部門:設備事故防止と生産設備のフル稼働により生産を高い水準で正常化、炭素1化学工業など化学工業の「主体性」強化のための対象工事を推進
- 電力工業部門:発電設備、送配電系統に対する「点検保守」を強化、「電力生産を安定的に維持」
- 石炭工業部門:新炭鉱・新坑建設などにより石炭を増産
- 機械工業部門:龍城機械連合企業所をモデル工場として整備
- 非鉄金属部門:鉱山、精錬所の整備補強を促進、非鉄金属需要を充足
- 交通運輸部門:鉄道、船舶輸送能力を増大
- 林業部門:林産鉄道整備などで丸太生産目標を遂行、山林造成事業も責任をもって実施
- 農業部門:異常気象への諸対策を強化、今年も穀物生産目標を確実に占領、同時に灌漑体系整備、農機械生産、干拓地建設などで農業の物質技術的土台を強化。肉、卵などの増産、糧穀加工と供給事業を「正しく行う」
- 水産部門:漁労活動の活発化、養魚・養殖などにより多くの水産物を生産
- 軽工業・地方工業部門:製品の質向上に優先的取り組み、必需消費品、基礎食品、学生制服・かばん・靴生産を増加
- 商業部門:情報化を積極推進、「国家の主動的役割と調節統制力を向上」、衛生安全性の保障されたこども向け乳製品、栄養食品を基準どおり正常供給
- 国土管理部門、都市経営部門:国土管理と生態環境保護事業などを積極推進、「国家危機対応能力を一層強化し、人命被害を防止、経済的損失を最小化」
- 科学技術部門:人民生活向上に緊要な問題解決に尽力
- 保健部門:医療品生産、医療サービスを向上、世界的な保健危機への対応を準備
- 教育部門:教育構造・内容・方法の改善事業を一新し教育の質を向上、国の教育土台強化に注力、全社会的な教育支援事業を一層高揚
- 経済管理:「勤労大衆が経済管理の実際的な主人となるようにしつつも、我が国の経済構造と具体的実情に適合した切実な方法論的問題を解決することに注力」、「経済管理改善事業を着実に漸進的に推進」。「内閣責任制、内閣中心制の原則ですべての部門、すべての単位が内閣の決定、指示に無条件服従し執行する規律と秩序を確立・・統一的で展望的な指導管理を実行」
- 結び:「党創建80周年となる意義深い今年を誇らしい勝利の年として輝かせ、党第9回大会を堂々と迎える」
同「報告」の内容は、既述のとおり概して平板であり、特段の「目玉」となるような点は見当たらない。
ただ、書いてあることではなく、書いてないことに着目すると、今年の課題の中に、昨年末開催の党中央委全員会議で強調された「地方発展20×10政策」に関する具体的言及がほとんどなく、また、同じく同会議で重視の方針が決定された教育事業(報告は総理就任直前の朴泰成が行った)についての言及も通り一遍のものとなっていて、金正恩の思い入れとは乖離があるような印象を禁じ得ない。
なお、「地方発展20×10政策」に基づく各地の地方工業工場の竣工式は、金正恩が出席した2か所を含め、これまでに合わせて10か所で行われ、「労働新聞」や朝鮮中央放送などは、その都度、大々的に報じている。これまでに報じられた竣工式は、次のとおりである。
以下は、金正恩はじめ中央幹部は出席せず、いずれも道党委責任秘書が竣工辞、郡党委責任秘書(又は人民委員長)が討論、「工場の主人(従業員)」ないし「支配人たち」がテープカット。式後、参加者が工場参観、祝賀公演、花火打ち上げ等実施。
・ 平安南道粛川郡(1月8日)
・ 黄海北道銀波郡(1月10日)
・ 咸鏡北道鏡城郡(1月12日)