本日の「労働新聞」は、金正恩が9月5日午後、中国訪問を終え、平壌に帰着したとする簡略な記事を掲載した(朝鮮中央通信の5日配信記事と同文)。
添付写真は、①金正恩の執務室とみられる列車内で同人を中心に向かって右側に崔善姫外相、趙勇元秘書、金成南党国際部長、氏名不詳男性(朱昌日宣伝扇動部長?)が、左側に金国勲秘書、金在龍党規律調査部長、金勇帥財政経理部長が着席し、金正恩の向かって右側後方に「娘」が立ち、そろって窓の外を眺めている姿、②列車から乗用車、警護員らが待つホームに降り立つ金正恩と娘の姿、の2枚だけである。
非常に奇異に感じるのは、平壌到着時における出迎え者について、記事中にも写真にも触れられていないことである。1日の平壌出発に際しても見送り者に関する報道がなかった。要するに、これまでの報道を見る限りでは、誰にも見送られずに出発し、誰の出迎えも受けずに帰国したということになる。あるいは、今後、中国訪問をまとめた記録番組のようなものが公表され、そこでは、見送り、出迎えなどの場面が示されるのかもしれないが、そうであるなら、何故、敢えて現時点でそれを公表しないのか、どちらにせよ、不可解と言わざるを得ない。
それと細かい点であるが、前述写真①の中で、崔善姫が党常務委員である趙勇元よりも上座に着いていることである。北京駅到着時に列車から降りる際にも、崔善姫が趙勇元よりも前に立っていた。また、本ブログで既に紹介したとおり、外務省報道局長が今次訪中を最初に公表した「通報」(2日朝鮮中央通信配信)においても、「崔善姫外相をはじめとする党および政府の指導幹部が北京を訪問する国家元首に随行する」としていた。外交場面であることを勘案して、訪中期間中は、序列を入れ替えたということであろうか。
それと若干関連するが、今になって思うと、北京到着・出発時の中国側出迎え・見送り陣の中に王毅(外相、党外事弁公室主任)がいるが、これまで中朝関係を主導していたとされる党対外連絡部長の名前が出てきていない(北側報道に記載されていないだけで姿は現していたのかもしれないが)。これは、今次訪中が従前の党ルートではなく、外務省ルートに重きを置いて進められたことをうかがわせる現象とも言える。そういう点が崔善姫のステータス上昇(?)の一因になった可能性もあろう。すべては屋上屋の憶測に過ぎないが。