2025年11月8日 弾道ミサイル発射を報道せず、一方、国防相は談話を発出
韓国軍の発表によると、北朝鮮は、11月7日12時35分ころ、平安北道大関(音訳)付近から咸鏡北道吉州郡沖合のアル島方面に向け弾道ミサイル1発を発射、約700㎞飛翔させたとみられる。また、これを報じた韓国聯合通信の解説によると、同ミサイルについては、北朝鮮版イスカンデルと称されるKN23ないしそれに極超音速滑空体を搭載した「火星11マ」ミサイルの可能性が指摘されている由である。北朝鮮の弾道ミサイル発射は、先月22日(ミサイル総局による極超音速飛翔体試射として報道)に続くものである。
なお、日本政府(木原官房長官)は、当該ミサイルの飛翔距離について、最高高度約50㎞、飛翔距離約450㎞以上との見方を示した由であり、飛翔距離について韓国側発表との乖離が著しい。我が国防衛当局の観測能力の限界を露呈しているようにも見え、発表の方法に検討が必要と思われる。
いずれにせよ、北朝鮮の報道機関は、8日午前11時現在、当該ミサイル発射について、関連の報道を行っていない。
一方、朝鮮中央通信は、本日、努光鉄国防相が7日、「我が武力の対敵認識と対応意志はより明白に表現されるであろう」と題する談話を発表したことを報じている。同談話の骨子は、次のとおりである。
・ 「最近、米軍部は朝鮮民主主義人民共和国の安全を脅かすための軍事的行動を露骨にしながら地域の政治・軍事情勢を意図的に激化させている」(米韓連合空中訓練「フリーダム・フラグ」実施(3~7日)、原子力超大型空母「ジョージ・ワシントン」打撃団釜山入港(5日)、米韓国防相の板門店視察・定例安保協議開催(3日)等を指摘)
・ 「我々は、朝鮮民主主義人民共和国とはあくまで対決的であろうとする米国の敵意を正確に理解したし、それに対する応答を絶対に避けないであろう」
・ 「今後、我々の安全圏に接近する一切の全ての脅威は我々の正照準圏内に入るようになり、必要な方式で管理されるであろう」
・ 「我々は、強力な力による安全保障、平和守護の原則に立って敵手らの脅威に一層攻勢的な行動を見せるであろう」
7日の弾道ミサイル発射は、上掲談話の「一層攻勢的な行動」の具体的な誇示であったとも考えられる。しかし、それについて直接的な報道を行わず、また、国防相談話についても朝鮮中央通信の配信にとどめ、「労働新聞」には掲載していないことなどを勘案すると、当面、国を挙げた反米闘争を展開する気配はうかがえない。米韓の一連の行動に相応した一過的な対応にとどめるのではないだろうか。