rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2026年2月20日 朝鮮労働党第9回大会の開幕を報道

 

 本日の「労働新聞」は、標記大会が2月19日開幕したことを報じる記事及びそこで金正恩が行った「開会辞」を掲載した。それらの骨子は、次のとおりである。

ア 大会概況

・ 第1日目進行順序:①金正恩「開会辞」、②国歌奏楽、③大会執行部を選挙(金正恩以下39人を選出)、④主席檀着席者を推薦(各道党責任書記、党中央指導機関メンバー、特出した功労を立てた幹部ら)、⑤大会秘書部を選挙(金奉哲(音訳)以下5人を選出)、⑥議題を採択、⑦第1議題に関する討議を開始(具体的内容非言及)

・ 議題内容:①党中央委員会の事業総括、②党規約改正、③党中央指導機関の選挙

・ 参加者の概要(金正恩「開会辞」より):①総数:5,000人(第8期中央指導機関メンバー224人+党組織選出代表者4,776人)、他に傍聴者2,000人(前回大会と同規模)、②代表者の内訳:党幹部1902人、国家行政・経済部門幹部747人、軍人474人、勤労者団体幹部32人、科学・教育・保健医療・スポーツ・文化・芸術、出版・報道部門幹部321人、現場幹部・中核党員1524名。女性は413人

イ 金正恩「開会辞」の注目点

・ 前回大会時との内外情勢変化:「第8回党大会が開催される当時の朝鮮革命の主体的・客観的条件は、文字通り自らを保存することすら力に余るほど厳しいもの」(制裁、コロナ渦などで「(建材部門は)発展指向性もなしにそれぞれ現状維持にのみ汲々」→「5年が経った今日は、全てが根本的に変わりました」(「人民経済発展5カ年計画が基本的に完遂」、「対外的にも、国家の地位を絶対的なものに打ち固める」、「未来への楽観と確信に満ちて第9回党大会に臨んでいます。」)

・ 今次大会の課題:「社会主義建設をより高い段階に引き上げるための路線と政策を確定し、党の指導力を整備・強化するための組織機構上の対策も講じる」

・ 幹部批判:「現在の党、政権機関と幹部の活動には根深い敗北主義と無責任な姿勢、保守主義と形式主義、指導力の未熟さなどの深刻な欠点や否定的要素が少なからず内在」

・ 大会準備動向:「非常設党大会準備委員会を設置・・方向別、部門別に調査グループを派遣して当該部門と単位の5年間の活動を全面的に調査し、難問とその原因について正確に分析・・第8期党中央指導機関のメンバーの活動状況について、いかに自分の役割を果たし、いかに自分の部門や単位の発展を正確に牽引したかを評価」、「分野別、部門別に新しい展望計画期間に到達すべき発展目標と計画を科学的に立てて党大会準備委員会に提出」、「党の指導的機能を一層強化する上で提起される問題について深みのある研究」

 上記の内、大会執行部のメンバーを見ると、概ね既存の指導部のメンバーが従前の序列から大きく変わることなく配されている。これから推測すると、今次大会の場で高位人事に関し大きな変動が起きる可能性は低いと考えられる。

 また、金正恩の「開会辞」からは、楽観的な内外情勢認識とそれに基づく極めて意欲的な政策展開(加速化)の姿勢がうかがえる。これらは、辛辣な幹部批判とあわせて、最近の言動の延長線上のものといえよう。