2025年12月30日 金正恩の重要軍需工業企業所に対する現地指導と龍岡郡病院・地方工業工場竣工式への出席を報道
本日の「労働新聞」は、金正恩が12月28日、「重要軍需工業企業所を現地指導」したこと及び12月29日、「南浦市龍岡郡に建設された病院と地方工業工場の竣工式」が挙行され、金正恩がこれに出席したことをそれぞれ報じる記事を掲載した。それらの骨子は、つぎのとおりである。
ア 重要軍需工業企業所に対する現地指導
・ 同行者:趙春龍党秘書、努光鉄国防相、金正植党(軍需工業部)第1副部長、張昌河ミサイル総局長と党軍需工業部の当該幹部
・ 主要動向:「我が軍の主要部隊に装備させる放射砲車の生産実態を了解」(添付写真には、大量に整列した、600㎜超大型放射砲を5基搭載の4軸発射車両を視察する金正恩らの姿)
・ 金正恩注目発言:①当該兵器の特性:「軍事作戦上、大量的に集中利用することになるこの兵器体系は高精密性と恐るべき破壊力を持っているので打撃の集中さと不意さで敵を焦土化することができ、戦略的攻撃手段としても利用できる」、②今後の増産方針:「この企業所の生産構造をさらに完備し、工程別技術土台を一層一新させて強固な生産能力を整え・・軍需工業部門の全般で・・より多くの兵器・戦闘技術機材を生産することのできる発展した工業構造の確立と絶え間ない生産能力の拡張、革新的な技術更新を恒久的にとらえて積極的に推し進めなければならない」
イ 南浦市龍岡郡病院と地方工業工場の竣工式
・ 出席者:「党と政府、武力機関の指導幹部をはじめ党中央指導機関のメンバーと関係部門、南浦市と龍岡郡の幹部、勤労者、軍人建設者、病院と工場の従業員」
・ 竣工辞(李日換秘書):「来年には20の市・郡に近代的な軽工業部門の工場と共に病院、総合サービス施設をはじめ、今年よりも多くの対象を同時に建設しなければならず、その質的側面においてもより高い進歩と飛躍を遂げなければならない」
・ 金正恩の主要動向:①テープカット、②建設部隊指揮科を激励、③龍岡郡病院視察
・ 金正恩注目発言:①「龍岡郡病院と地方工業工場の竣工によって我々は今年に計画したモデル的な病院と総合奉仕所、そして20の市・郡地方工業工場の建設を成功裏に完結し、・・社会主義建設の全面的発展をより早められる新しい局面を切り開いた」、②「2025年は地方発展政策の正当性と生活力(実効性の意)を現実によってより明白に実証した歴史的な年」
・ 地方工業工場の内訳:食料工場、日用品工場、衣料工場
年末に至って、金正恩の軍需・軍事関連の動向が一挙に活発化しているが、その報道は、民生関連施設の竣工式出席等とセットのような形でなされている。軍事関係のみならず、民生部門との同時推進を目指していることを敢えて印象付けようとしているようにも思える(うがち過ぎの見方かもしれないが)。
金正恩の発言のうち、「ア」の①下線部は、同ミサイルに核弾頭を装着可能なことを改めて示唆したものといえよう。また、「イ」の①は、先般来の地方振興政策が「社会主義建設の全面的発展」という基本路線の一環として推進されていることを示すものであり、また、②は、24日の定平郡地方工業工場・総合奉仕所の竣工式での発言でも言及した「地方発展20×10政策」の実現可能性に対する「懐疑」の存在を背景にした発言と考えられる。