2025年12月29日 金正恩の平安南道殷山紙工場竣工式への出席、長距離戦略巡航ミサイル発射訓練参観を報道
本日の「労働新聞」は、いずれも12月28日、平安南道殷山紙工場の竣工式が挙行され金正恩が出席したこと、同人が長距離戦略巡航ミサイルの発射訓練を参観したことをそれぞれ報じる記事を掲載した。それらの骨子は、次のとおりである。
・ 他の出席者:党と政府、武力機関の指導幹部をはじめ党中央指導機関のメンバーと省・中央機関、平安南道と殷山郡の幹部、勤労者、工場の従業員、国家科学院の科学者、技術者
・ 竣工辞(李日換秘書):「道内の活動家と勤労者が集団的革新運動を果敢に展開し・・自力更生の旗印を掲げて地域の発展と人民の生活を向上させるという党政策の実行で全国のモデルを創造」
・ 金正恩の主要動向:①テープカット、②国家科学院(製紙工学研究所)の幹部、科学者、技術者らを激励、③工場視察(同工場は「筆記用紙、包装用紙、衛生用紙をはじめ、多様な紙製品を量産」)
・ 金正恩の注目言動:「(同工場完成により)他の道も製紙工場を自ら建設することのできる模範となる経験が積まれた」、「党中央が製紙工業を各道別に創設するようにしたのは・・地方の現在の実態と経済的潜在力を正確に反映した決定」
・ 訓練目的:「①長距離ミサイル区分隊の反撃対応態勢と戦闘能力を点検し、②ミサイル兵を機動と火力任務遂行の手順に熟達させ、③当該戦略兵器体系の信頼性を確認」(丸括弧数字は筆者加筆)
・ ミサイル飛翔状況:「1万199秒と1万203秒の間、朝鮮西海の上空に設定された飛行軌道に沿って飛行し、標的を命中打撃」
・ 金正恩の主要言動:「(訓練結果に)大きな満足の意を表示」、「核抑止力の構成部分に対する信頼性と迅速反応性を定期的に点検し、その威力を持続的に誇示すること自体が・・自衛権の行使、戦争抑止力の行使であると強調」
※ 添付写真には、4軸の発射車両(TEL)からのミサイル発射や建物状の目標へのミサイルの命中、爆発などの場面。金正恩の姿はなし。同写真から、今次発射は、10月10日の閲兵式に登場の「長距離戦略巡航ミサイル」とみられる。
※ 韓国報道によると、北朝鮮は、28日午前8時ころ順安付近から巡航ミサイル数発を発射の由(軍関係者談)
殷山紙工場は、去る2月28日に着工式が行われ(金徳訓秘書出席。3月2日付け本ブログ参照)、12月3日には金正恩が指導したことが報じられていた。
同工場の建設は、今年の20の市・郡における地方工業工場と並行するものと位置付けられていたが、地方工業工場が市・郡単位での設置を前提に、軍部隊(124連隊)により建設されるのに対し、道ごとの設置を目標とし、地元の力量により推進された点では異なる。
金正恩の言動からは、来年以降は、同工場をモデルとして各道において、それぞれの「自力更生」により、建設を推進することを期待していることがうかがえる。果たして、いくつの道がそれに応えられるであろうか。