3月5日 社説「人民のために滅私服務する朝鮮労働党の革命的本態を確固として固守していこう」
標記社説も、昨日の本ブログで紹介した政治局拡大会議フォローアップである。
まず、同会議の意義について、「人民の運命を全面的に責任を負う朝鮮労働党の革命的本態(本来の態様との意味か)を確固として固守していく上で、重要な契機」、より端的に言えば「人民の上に君臨し人民の利益を侵害する行為に対しては秋毫も容認しない我が党の揺るぎない意志をすべての党組織と幹部たちに再認識、再確認させる重大な契機」になったと主張している。
その上で、今後に向けて、「権柄と官僚主義、不正腐敗との全面戦争を宣布し、終局を見るまで強度を高めて展開しようとする確固たる立場を再闡明した」として、幹部の抱える問題傾向に対する闘争を強化する方針を示している。
そこで具体的に求められるのは、徹底した自己批判であり、その実践を要求する言葉を次のように繰り返している。
- 「すべての党組織と党幹部たちは自分の単位、自分自身にはこのような欠陥がなかったかを冷酷に振り返り、党事業を親人民的、親現実的なものに改善していかなければならない」
- 「批判と思想闘争を強化することを革命的党風として確立しなければならない」
- 「党内に批判と思想闘争の雰囲気を立て、人民大衆第一主義と食い違う現象に対しては即時に摘発し、些少な芽もその都度、根こそぎにしなければならない。職権に押されて誤った現象を見ても批判しない現象、現れた欠陥を無原則的に包み隠して助長する非党的な行為をきれいさっぱりと捨て去・・らなければならない」
以上のような「思想闘争」展開の訴えは、本日の別項ブログで紹介した「思想動員戦」を訴える3月3日付け論説とも軌を一にするものといえる。そうなると、「正面突破戦」の主戦場は、まさに各党組織における「生活総括」などの場ということになろう。そこで、幹部が自分たちの活動姿勢について、どれだけ真摯に自己批判・相互批判を行うのか、それが問われることになる。金正恩が、そして党機関紙がどれだけ熱心に旗を振っても、そこで、幹部たちが「相見互い」的な心情で形式的な批判でお茶を濁そうとすれば、それを阻止することはできないのではないだろうか。金正恩にとって、官僚主義との「全面戦争」を「宣布」するのは簡単であるが、そこで本当に「終局を見る」ことは容易ではないと考えられる。推移を注視していきたい。