rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

12月9日 評論「新たな主体100年代我が党の強化発展において重要な契機となった党会議」

 

 標記評論は、主体100年代すなわち主体101年にあたる2012年以降に開催された「党の強化発展に貢献した数多くの党会議」として、次の8つの会議を取り上げ、その意義を解説したものである。

①2012年4月、第4回党代表者会議:「最高領導者同志を我が党の最高首位に高く奉じた」

②2014年 2月、第8回思想イルクン大会:「思想の威力で革命の勝利を促進する上で画期的転換の里程標を準備した分水嶺

③2017年12月、第5回細胞委員長大会:「新時代の党建設と社会主義建設において一大転換を起こすための意義深い大会合」

④2016年5月 第7回党大会(意義は長いので省略)

⑤2016年12月23日、第1回全党初級党委員長大会:「党の路線と政策を直接執行する基本戦闘単位である初級党組織の戦闘的機能と役割を非常に高め(た)」

⑥2019年12月、中央委員会第7期第5回全員会議:「主体朝鮮の百折不屈の攻撃精神を満天下に轟かした歴史的な大会」

⑦2020年2月 政治局拡大会議;「党建設と党活動において人民大衆第一主義を徹底して具現し、党の団結と戦闘力を不断に強化するための原則的問題・・が討議(され)・・人民大衆第一主義を党活動に徹底して具現していく上で重要な契機となった」

⑧2020年 8月 19日 党中央委員会第7期第6回全員会議:変化した情勢と要求に基づき新たな闘争路線と戦略戦術的方針を提示」、第8回大会招集を決定

 ここで注目されるのは⑦である。頻繁に開催されている政治局会議のうち同会議だけが、党大会、中央委員会全員会議あるいは全党的な大会などと並ぶ形でここに取り上げられたことの意味は検討に値するものであると考えられる。後知恵であるが、同会議の報道では、会議名称に恒例の「第7期第〇回」といった次数が付されず、単に「政治局拡大会議」と称されていた。当時から、通例的な政治局会議とは異なるものと位置付けられていたのかもしれない。会議内容は、同評論にあるとおり、党内の不正腐敗、官僚主義を批判したものであった。そのとき批判を受けて解任された幹部はその後数か月以内に復活したが、同評論でのこのような取り扱いは、同会議での批判の趣旨が今もって重要なものと位置付けられているということを示すものといえよう。

 このほか、同評論の中には、「(金正恩は)党会議を正常的に開催し、党会議において重要な路線上問題と政策的問題、醸成された情勢に対処した対策的問題を集団的に討議決定するようにされることによって、偉大な首領様と偉大な将軍様の党建設思想と業績を擁護固守し、革命の参謀部としての党の領導的権威を非常に高められた」との記述がある。

 党会議の「正常的開催」が「党の領導的権威を高める」ことと関連付けられていることは、最近の党会議の頻繁な開催の意義・狙いを考える上で一つの参考になると思われるので、紹介しておきたい。