10月6日 党中央委第7期第19回政治局会議開催:本記事は、昨日の本ブログに掲載した記事を10月7日、再修正したものです。
標記会議が10月5日、開催されたことが6日の「労働新聞」で報じられた。
金正恩については、前回18回政治局会議の際と同様、「参加」し、「政治局の委任により会議を司会」と表現された。
議題は2件で、第一議題は、「全党、全国、全民が80日戦闘を力強く展開し、党第8回大会を輝かしく迎えることについて」であった。同議題に関しては、「報告」(記事中に報告者への言及ないが、ニュース映像によると、朴奉柱党副委員長が行った模様)に続き、「(本年のこれまでの活動において)歴史的功績を成し遂げたが、収めた勝利と成果に陶酔し万歳でも叫んで気勢を緩めてはならない」、「本年内に到達すべき闘争目標も手に余るほど残されている」ことなどが指摘され、「党8回大会まで残された期間は、今年年末戦闘期間であると同時に党第7回大会が提示した国家経済発展5カ年戦略遂行の最後の界線であるだけに、全党的、全国家的にもう一度、総突撃戦を展開しなければならないと強調」されたとされる。これらの内容は、金正恩の発言に基づくものと考えられる。
会議では、その上で、「80日戦闘の基本目標と戦闘期間(具体的に示されず)に堅持すべき主要原則、この期間に遂行すべき部門別目標を提示」し、「これを徹底して貫徹するための具体的な方向と方途を深度をもって研究した」ほか、同戦闘への「総決起」を呼びかけるスローガン及び全党組織・党員向けの「中央委員会からの手紙」送付を決定したという。
第二議題は、「党と軍隊の主要幹部への軍事称号の授与」に関する決定の採択である。これを受ける形で、党中央委・中央軍事委及び国務委員会の「共同決定」に基づき、李炳哲(軍事委副委員長、軍需工業部長)及び朴正天総参謀長に「朝鮮人民軍元帥」称号が付与された。ニュース映像では、金正恩が両人に辞令のようなものを手渡している場面が写されている。とりわけ朴総参謀長は感激の面持ちであった。
また、会議に関する報道には含まれていないが、「党中央軍事委員会委員長(金正恩)命令」(10月5日付け)が別途報じられ、それによると、方頭燮(第2軍団長:2015年)、林光日(偵察総局長)の2人が大将に、金正植(党軍需工業部副部長)、朴光柱(10軍団少将経歴)の2人が上将に任じられている(人名は音訳、カッコ内は聯合通信人名索引による役職)。
同会議報道でとりあえず注目されるのは、「80日戦闘」期間の設定に関し、「国家経済発展5カ年戦略遂行の最後の界線」であることが改めて強調されたことである。昨年後半から最近までは、達成不可能との見通しのためかほとんど言及されることなく過ぎてきたが、やはり、出来ることだけでもやっておこうという姿勢に転じたのか、背景は定かでないが、具体的にどの部分にどのような形で取り組むのか関心がもたれる。
また、軍事称号の付与に関しては、李炳哲及び金正植という軍需工業部門所属のメンバーに与えられたことが注目される。また、朴総参謀長は、今年5月に次帥に昇格したばかりで、年内に2階級昇進ということになり、李炳哲及び同人の急速な台頭ぶりを改めて印象つける動きといえる。金正恩の両人への評価を反映したものであろう(それがいつまで続くかはわからないが)。
なお、金与正は、先の金正恩の被災地視察への同行に続き、同会議に出席した。ただし、着席位置は金正恩を除く出席者27人中21番目(円卓中心の金正恩に向かって左側11番目)であり、かつてに比較すると序列低下の印象がある。その間の不出現理由を検討する上での一つの材料になるかもしれない。
また、金正恩の被災地視察に同行の際の報道序列から政治局メンバー入りの可能性を指摘した金勇帥財政経理部長は、円卓後ろの傍聴席に着席していることから、政治局メンバーにはなっていないことが確認できた。