rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月24日 政論「偉大な党にしたがって勇進また勇進」

 

 標記政論は、第8回党大会招集決定を受けたもの。同大会を「闘争する大会、働く大会、党事業を全面的に総括する大会にしなければならない」との金正恩の意志を強調している。ここからも、次期大会について、従前と異なり「成果を誇示」というよりは問題点を摘出・改善する契機としようとの意向が確認できる。

 また、読者に対しては、「党歴史に永く輝く党第8回大会に私はいかに労力的贈り物を捧げるべきか? 誰でもこのような良心の問いかけを抱いて現在の1日1日を忠誠と義理の足跡で輝かそう」と呼びかけており、大会に向けたこれからの準備過程を重視する姿勢がうかがえる。

 なお、本日の紙面には、上掲政論に加えて、「我が党と祖国歴史に特記すべき第8回大会を高い政治的熱意と輝かしい労力的成果で迎えよう」との共通題目下、「党第8回大会が持つ重要な意義」と題する論説及び大会に向けた各単位の「奮起」を紹介するなどの記事が掲載されている。

 そのうち、論説では、「党第8回大会は、我々の前進途上に置かれた厳酷な挑戦と難関を撃破し、我が革命を新たな高い段階へと上昇させていく上で重要な里程標となる」とした上で、「このたびの大会では、7回大会の決定貫徹のための事業において現れた偏向と欠陥を全面的に、立体的に、解剖学的に分析総括し、党と政府の前に新たな戦略的闘争課題を提示することになる」との中央委員会全員会議の決定を改めて強調している。

 そして、それに関連して、「今日、我が党組織の前には・・・革命と建設に対する政治的指導、政策的指導をより深化せる問題、党事業を親人民的、親現実的なものへと改善する問題をはじめとした重大で切迫した課題が提起されている」と主張しており、これが大会が目指す基本的方向性を示唆するものと考えられる。

 あわせて、「党第8回大会は、党と人民が一体となって粘り強く前進する社会主義朝鮮の不可抗力的力を力強く誇示する意義深い契機となる」との主張もあり、前述のとおり、大会開催決定を契機として、各種課題への取り組み強化を目指す意向がここにも示されている。

 このたび、大会開催を決定した北朝鮮指導部の目論見は、以上のような政論及び論説の主張に概ね尽くされていると考えられる。巷間の報道では、大会の1月開催を米国の大統領選挙結果を受けた新たな対米戦略を打ち出す場を設定するものとの側面から見る向きが強いが、それは付随的・結果的なものと考える。対米戦略を打ち出すためだけであれば、あえて大会を開催するまでもないことは、従前の例を見れば、明白であろう。前述のような全党的、全国的取り組みを要する課題に対応するためにこそ大会開催が必要なのではないだろうか。