rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

8月22日 社説「朝鮮労働党第8回大会を高い政治的熱意と輝かしい労力的成果で迎えよう」

 

 標記社説は、昨日の本ブログで指摘したとおり、次期党大会に向けた様々な課題への取り組みを開始することなどを訴えるものである。長文なので、特に注目される部分だけの紹介にとどめたい。

 最初の点は、今更の話しかもしれないが、中央委員会全員会議の開催目的としてあげられ、何を指すのかと注目されていた「我が革命発展と党の戦闘力強化において重大な意義を持つ問題を討議決定するため」という表現と実際の結果(党大会招集の決定)との関連が示されていることである。それは、「第8回大会は、我が党の領導力と戦闘力を非常に強化し、全党の党組織を生きて息をする(活性化した、の意味であろう)戦闘組織として作る上で意義深い大会となる」との表現に示されている。そして、その具体的意味は「(前回大会以来の)党会議決定を貫徹するための党組織と党幹部たちの事業状況を深度をもって総括し、革命と建設に対する政治的指導、政策的指導をより深化させるための革命的な対策を講究しようというのがこのたびの大会招集を決定した党中央の意図である」との文章によって示される。つまり、党組織・党員の活動総括とそれを踏まえた今後の方針検討がすなわち党の「戦闘力強化」をもたらすということである。そのような意味で、次期大会は、従前のように、その間の「活動成果」を誇示するというよりは、「活動で表れた欠陥を摘出・是正」することを主な狙いとして開催されることになるといえよう。

 次に、社説後半部分で提示されている大会に向けた今後の課題を紹介したい。最初に掲げられるのは、「金正恩同志を中心とする党と革命隊伍の一心団結をくまなく強化していく」ことである。その文脈で、官僚主義、権力乱用などと並べて、「人民に負担と不便を与えつつ何らかの成果を出そうとの些細な現象」が強く戒められていることが興味深い。先の平壌総合病院建設場視察時における金正恩の批判・指摘事項を反映したものであろう。

 次に掲げられているのは、「正面突破戦の要求に即し、国家経済の内的潜在力を強化する」ことである。そのためにも「我々の事業に内在している偏向と欠陥を克服し、主体的力、内的動力を強化するための事業を引き続き粘り強く推進」することなどが必要とされている。

 このほか、「今年に開催された政治局会議で提示された重要課題を徹底して貫徹」することも求められている。具体的には、「国家的な非常防疫事業」「洪水被害復旧対策」「党創建75周年慶祝行事の準備」などである。

 なお、本日の「労働新聞」には、同社説に加え、「偉大な党の領導に従って社会主義強国建設の新たな勝利を抱く鉄石の信念と意志 党中央委員会第7期第6回全員会議の報せに接した各界の反響」と題して、各地・各層幹部らの声を紹介する記事も掲載されている。

 そこで示されているのは、もちろん、模範的な「決意」であるが、実際のところはどうなのであろうか。前掲社説で示されたような膨大かつ困難な課題を付与された北朝鮮幹部には同情を禁じ得ない。