rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年8月31日 ロシア代表団の訪朝動向について

 

 本日の「労働新聞」は、訪朝中であったロシア専門家代表団及びロシア沿海州教育活動家代表団がそれぞれ8月30日、帰国したことを報じた。これまでに報じられた両代表団の主な訪朝動向は、次のとおりである。

ア ロシア専門家代表団(団長:工業貿易相副相ロマン・チェクショフ)

  • 26日:平壌に到着(尹正浩対外経済相ら出迎え)、対外経済省が同日夕、羊角島国際ホテルで歓迎宴を開催
  • 27日:金徳訓総理が同代表団の主要メンバーを接見(「親善的な雰囲気の中で進行」)、尹正浩対外経済相が同代表団団長及び主要メンバーと会談(化学工業省副相金化植ら同席、両国間の「経済協調を深化発展させるための問題(複数)」を討議、「同志的で親善的な雰囲気の中で進行」)
  • 28~29日:動静報道なし
  • 30日:帰国(柳恩海対外経済省副相ら見送り)

イ ロシア沿海州教育活動家代表団(エルビラ・シャモノワ(沿海州政府)副首相兼教育相)

  • 26日:平壌に到着(出迎え者言及なし)
  • 期日不詳:平壌教員大学をはじめ国際親善展覧館、金策工業総合大学、モランボン第1中学校、万景台学生少年宮殿などを参観
  • 30日:帰国(見送り者言及なし)

 両代表団に関する報道を見比べて明らかなことは、専門家代表団の方が重視されていることである。副相クラスを団長とする代表団を対外経済相が空港で出迎え、また、総理が接見するというのは、かなりの厚遇というべきであろう。

 その上で、同代表団の28,29日の動静がまったく報じられていないことは、同代表団に比すと相対的に「軽視」されているはずの教育活動家代表団の訪問先が報道されていることを勘案すると、そこに何か格別の理由があるのではないかとの疑念を抱かせるものといえる。

 更に言うと、同代表団の「専門家代表団」という名称自体が不可解な印象を与えるものである。27日の会談における北朝鮮側同席者から見て、化学部門の専門家が含まれていたことは推測できるが、それ以外にどのような「専門家」が含まれていたのか、「経済」とか「工業部門」などの言葉を敢えて冠していないと見れば、それ以外の「専門家」が含まれていたとも考えられる。

 まったくの憶測であるが、同代表団には、軍需部門などの「専門家」も含まれており、国防科学院や国防工業企業所などを訪問した可能性もあるのではないだろうか。27日に金正恩視察下で実施された240㎜放射砲武器体系検収試験射撃を参観した可能性も、日程的に厳しいとは言え、まったく無理ではないであろうし、軍需部門専門家だけが団長一行とは別行動を取ったとすれば、十分可能と考えられる。接見及び会談の参加者が「団長及び主要メンバー」とされていることも、そこに代表団員の全員が参加していないことを示している。余り空想を逞しくし過ぎるのは控えるべきかもしれないが・・