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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2025年2月17日 和盛地区第4段階住宅の建設着工式挙行、金正恩が演説を報道

 

 本日の「労働新聞」は、平壌市和盛地区第4段階1万世帯分の住宅建設着工式が2月16日午後、挙行され、金正恩が出席、演説したことを報じる記事及び同演説の全文を掲載した。

 同着工式には、金正恩に加え朴泰成総理ら党・政府・軍の高位幹部や多数の「軍民建設者」が参加し、恒例通り、金正恩が演説の後、発破ボタンを押すなどのセレモニーが行われた。金正恩演説の主要内容は、次のとおりである。

  • 5か年計画のこれまでの実績:「人民経済の各部門の能力が拡張され、経済全般が持続的な成長の局面に確実に入り」、「電力工業部門が上昇の幅を広げながら驚くべき増産の推移を堅持し、セメント生産は史上最高の水準に達し、農業部門も高くて安定的な穀物の生産を維持できるほど確実な軌道に入りました」、「平壌市住宅建設部門は、・・最も安定的に急速な成長を遂げる部門となり、2024年の成長率は2020年に比べて391パーセント」
  • 建設事業の意義:「この頃は相次ぐ竣工式や着工式を行うことだけでも気が疲れ、目が回ると言うほど・・このような闘争を通じて自分の力をさらに固く信じるようになり、我々の偉業を前進させる不屈の闘志と自信を持つようになりました。自分の力に対する信頼と自信、これは最も大切なものであり、実物として築いた物質的財産よりも貴重な精神的財産です」、「我が国家の全面的な興隆と人民の福祉増進のための歴史的偉業は建設から始まり、建設と共に遂行され、建設の成果によって達成される」
  • 和盛地区第4段階建設の概要:「1万世帯住宅のほかに近代的かつ多様な文化生活拠点も含まれる・・今年、和盛地区に建設すべき文化生活拠点は、規模が大きく、高い技術上の要求を提起する機能性建物」、「(第4段階建設が完成すれば)この一帯は都市区画形成のモデル、造形芸術性と先進文明が調和をなした美しくて壮大な所に変貌する」
  • 次期大会以降における平壌市建設構想:「次の段階として平壌市の市街形成を江東方向へ拡張する」、「大城区域に主要科学研究所や技術大学、軍官学校も建設」、一方で「船橋区域の嶝嵋洞地区、牡丹峰区域の月香洞地区、兄弟山区域の下堂洞地区をはじめとする首都圏内の立ち遅れた地域と郊外の古くて立ち遅れた生活・文化地域を改善(し)・・首都の面貌にふさわしくない要素を全部整理し一新」
  • 建設従事者への期待・激励:「和盛地区第4段階建設の規模は膨大なものですが、指揮陣の高い展開力と実践力、全ての建設者の自信と高揚した熱意によって、必ず立派な結実がもたらされるものと確信します」、「皆さんの不滅の功績を、歴史に特記される栄えあるわが党創立80周年が、第9回党大会が証明するでしょう」

 金正恩が今年度の建設竣工式で、その完成を見越して来年度以降の構想にまで言及しているのは、昨年来の各種建設活動の同時多発的な取り組みの結果、「着工は即ち竣工という言葉が通用」し、「竣工式や着工式を行うことだけでも気が疲れ、目が回る」ほどの成果をあげているとの自信感、高揚感を背景にしたものと考えられる。

 しかし、そうした華々しい成果が無から有を生じさせるかのごとく収められているとは考えにくく、そのしわ寄せによって何かが犠牲になっている可能性も払拭できない。ただ、演説で明らかにされたところによれば、5か年計画は概して順調に推進されている模様であり、経済はじめとする各分野の実情が注目される。

 なお、昨16日付けの「労働新聞」は、金星トラクター工場第2段階改建現代化対象の竣工式が15日、朴泰成総理、金徳訓秘書、楊乗浩副総理、李在男南浦市党委責任秘書ら出席の下、同工場で挙行されたことを大々的に報じている(同日の朝鮮中央テレビも格別の扱いで報道)。総理と党秘書が共に出席した竣工式は、今年初めてであることからしても、同工場の現代化が極めて重視されていることがうかがわれる。

 ちなみに、2月16日は金正日の誕生日であり、関連動向も多々あるが、個人的都合で、整理が間に合わず、紹介は明日にしたい。