rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年4月17日 金正恩平壌市内住宅竣工式への出席などを報道

 

 本日の「労働新聞」は、金正恩の動静に関し、2件の記事を掲載した。

 一つ目は、16日夜に実施された平壌市内華城(和盛?)地区第1段階1万世帯住宅建設竣工式への出席である。同行者としては、金徳訓総理、趙勇元組織秘書、崔竜海常任委員長、李炳哲秘書の常務委員4人が勢ぞろいしたほか、李日換秘書、全現哲秘書、鄭慶沢軍総政治局長、金秀吉平壌市党責任書記らの名前が報じられた。竣工式では、李日換が報告を行い、金正恩が同地区建設に対し、「目標と建設方向を具体的に示して下さり、現代都市の標本(模範の意であろう)区域となるよう工事全過程を精力的に導いて下さったことについて言及」した上で、同地区竣工の意義につき、「全国人民の胸に革命の勝利と目まぐるしく繁栄する明日を確信する固い決意を植え付け(た)」などと主張した。また、金正恩は、高位幹部と共にテープカットを行ったほか、「(建設に参加した)軍人建設者の苦労を高く評価」するなどした。

 なお、同記事は、竣工した同地区について、「150余町歩の面積に多様な超高層、高層住宅と公共建設物、奉仕網、施設物が便利に配置された現代的な住宅区画」になっていると説明している。また、今次竣工式については、夜間に実施し、花火打ち上げなどによる独特な演出を行ったことが特徴的といえる。

 二つ目は、「太陽節」に際し開催された内閣と国防省職員間の体育競技(サッカー、綱引き)の観覧である(開催日は不詳)。こちらの同行者として報じられたのは、金徳訓、趙勇元、李日換、李永吉、金在龍、全現哲の党秘書と姜順南(国防相)、朴秀日(総参謀長)、鄭慶沢(総政治局長)ら「国防相指揮メンバー」である。ただし、写真には、金正恩の隣に娘が、また、後列中央付近に金予正が着席している。

 同行事は、去る2月、「光明星節」に際して行われたのに続くもので、行事内容はその時とほぼ同一といえる。ただし、前回は、娘の同行について、記事中に言及されたが、今回は言及されていない。何故かは何とも分からない。

 ちなみに、ここでいう「国防省」とは、出席者の顔ぶれなどから勘案して、軍政機関としての狭義の国防省に加え、総参謀部、総政治局などの軍中央機関も含んだ意味で使われていると考えられる。つまり、同一敷地内に所在しているそれら機関をまとめて「国防省」と称しているのであろう。これは、昔、総政治局、総参謀部などが人民武力部長の指揮下にあったころからの慣習がそのまま続いているためと考えられる。