rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年4月16日 金日成生誕111周年に際し各種慶祝行事の実施を報道

 

 4月15日は、金日成の誕生日であり、北朝鮮では、「太陽節」と呼ばれる最大の「名節」(祝日)とされ、今年も、例年と同様、様々な慶祝記念行事が実施されている。このうち、一昨日来の「労働新聞」における主な関連報道としては、次のようなものがある。

  • 14日付け:「雄弁集会」(金日成の「徳性」(偉大性)を語るもの、13日、人民文化宮殿及び中央労働者会館)、「第26回太陽節料理祝典」(11日~13日、平壌麺屋)
  • 15日付け:社説「偉大な首領金日成同志の子孫らしく主体朝鮮の尊厳を限りなく輝かしていこう」、「写真展覧会『我々式社会主義農村発展に積み重ねられた不滅の業績』」(各道、市、郡で実施)
  • 16日付け:①「青年学生の夜会」(金日成広場、舞踏会と花火)、②「朝鮮少年団全国連合団体大会」(彰徳学校)、③「第8回4月の春人民芸術祝典参加者の慶祝公演」(平壌市内主要劇場)、④「女性同盟幹部と同盟員の舞踏会」(凱旋門広場)、いずれも15日実施

 このうち注目されるのは、15日付け掲載の写真展が農業問題だけにテーマを絞って、しかも全国津々浦々で開催されていることである。いうまでもなく、最近の農業重視路線の反映であろう。

 また、16日付け掲載③の「公演」出席者として、崔竜海とともに党政治局常務委員の肩書を付して李炳哲の名前が報じられている。李炳哲については、本ブログで指摘したとおり、先般来の活発な軍事活動に際して出現が報じられず、その動静に注目していたが、同公演観覧により、健在が確認されたことになる。しかし、逆に、それならば、何故、本来の担当分野である軍事関連の活動(副委員長を務める党中央軍事委員会も含め)には参加しないのかが疑問になる。

 一方、恒例となっている金正恩の錦秋山太陽宮殿への参拝は、これまでのところ報じられていない。聯合通信によると、「太陽節」に同人の参拝が報じられないのは、コロナ蔓延が始まった2020年に続く2回目とのことである。