rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2025年9月30日 崔善姫訪中動向(まとめ)

 

 これまでに朝鮮中央通信及び「労働新聞」が報じた崔善姫外相の主な訪中動向(9月27日平壌出発)は、次のとおりである。

ア 王毅外相との会談(9月28日、釣魚台国賓館)

・ 崔善姫主要発言:「朝中首脳の対面と会談の精神にのっとって朝中友好・協力関係の深化・発展のために極力努力する立場を表明」、「中国人民が習近平総書記同志を核心とする中国共産党の指導の下、強国建設と民族興隆の偉業を全面的に推し進める闘いで大きな成果を収めることを願う」

・ 王毅主要発言:「両国最高指導者同志の共通の認識を根本指針として双方の戦略的意思疎通を強化し、相互往来と協力を促し、地域の平和と安定を共同で守ることが必要」、「今回の訪問が両国最高指導者同志が成し遂げた重要共通の認識に即して両国の共通の利益を守り、二国間関係をより一層強化し、発展させる契機になるものとの期待を表明」

・ 会談総括:「国際および地域問題に関する深みのある意見が交換され、完全な見解一致を遂げた」

イ 李強総理との会見(9月29日、人民大会堂

・ 崔善姫主要発言:「伝統的な朝中友好・協力関係を時代的要求に即して一層強化し、発展させるのは朝鮮労働党朝鮮民主主義人民共和国政府の変わらない立場である」

・ 李強主要発言:「中朝友好を高度に重視し、いつも戦略的高みと長期的な角度で中朝関係の発展に対し、それを促すのは中国の確固たる対外政策である」、「朝鮮側と共に接触と協力、戦略的疎通を強化し、社会主義偉業を積極的に促すことで両国人民にさらなる福利を与える用意を表明」

 いずれの会談・会見でも、双方ともに先の金正恩訪中に際しての中朝首脳会談を踏まえた両国関係の緊密化を誇示する発言を繰り返している。しかし、個別・具体的な問題・事象に関する言及は認められず、本当に中身のある協議がなされたのか、いささか疑問に感じる。

 更に言うと、中朝の関係修復が盛んに言われるが、かつてのような「血潮で結ばれた」、「革命的友誼」、「反帝闘争」といったタームも影を潜めている。

  かつてのような党と党ではなく外務省(外交部)を主軸としている点も併せ、中朝両国は、今、伝統的な関係の復活というよりは、むしろ新たな次元での関係構築を模索しているとみるべきかもしれない。