2025年11月2日 金正恩の第11軍団指揮部訪問を報道(+石炭関連動向)
本日の「労働新聞」は、金正恩が11月1日、朝鮮人民軍第11軍団(特殊作戦軍団)の指揮部を「訪問」したことを報じる記事を掲載した。同訪問時における金正恩の主な言動・指示などは、次のとおりである。
・ 同行者:朴正天秘書、国防省指揮官(複数、添付写真には国防相らの姿)
・ 革命事績館視察:「党の構想と決心を至上の軍令として受け止め、ひたすら完璧な実行だけで応えてきた部隊の将兵の高い精神世界と集団的英雄主義、無比の戦闘精神は今日、我が軍の模範的な亀鑑となっている、全軍をこの部隊のように戦えば必ず勝つ強兵に、英雄軍隊に作ろうというのが我が党の意志であり、念願である」
・ 作戦研究室視察:「軍団長から様々な作戦状況に備えた大連合部隊の軍事行動計画を聴取」、「我が武力の中枢的中核勢力を強化するための軍事組織機構的対策を取る必要性」や「党の訓練革命方針を貫徹するための幾つかの重要課題」などに言及、「集団的英雄主義を全軍に一般化する問題を特別に強調・・戦争と戦闘の勝敗を決する根本要因は思想」
・ 特殊作戦部隊戦闘員の訓練視察:「万般に準備されたわが武力の完璧な臨戦態勢に大きな満足の意」、「軍人たちを温かく鼓舞、激励」
・ 記念写真撮影:指揮部全体、戦闘員(訓練参加?)
金正恩の特殊作戦部隊の訓練基地訪問などは、昨年来しばしば報じられてきた(24年9月11日,10月4日、25年4月4日、8月27日)が、軍団指揮部への訪問が報じられるのは、近年では稀なことといえよう。ただ、訓練基地にせよ軍団指揮部にせよ、金正恩の特殊作戦部隊への訪問が続く背景には、上掲発言からもうかがわれるとおり、ロシア派遣部隊によって発揮された「集団的英雄主義」に対する高い評価が存在するのであろう。
ちなみに、韓国聯合通信などは、同訪問を中韓首脳会談の日に行われたなどとしているが、特段、それを意識してのものとは考えにくい。核関連施設とかであれば話しは別だろうが。
石炭関連
以下、別件であるが、先日来紹介している石炭増産に向けた動向として、本日の「労働新聞」は、「党中央委秘書(趙勇元、李熙勇)が徳川地区炭鉱連合企業所斎南(音訳)炭鉱を「現地了解」したことを報じる記事を掲載した。
両秘書は、同炭鉱において、「炭夫の作業条件、生活条件改善に深い関心を払い、掘進に力量と手段を集中し、運搬能力を高めることによって、火力炭生産を決定的に増やすことについて強調した」とされる。
近年では、こうした「現地了解」ないし「現地指導」の主体は、総理及び総理経験のある経済部門担当の党秘書と最高人民会議常任委員長に限られており、組織部門担当の党秘書がしかも二人そろって行うのは、極めて異例なことである。
こうした動向からも、石炭(なかんずく火力発電所用燃料炭)の増産が焦眉の課題になっていることが改めてうかがえる。