rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2月1日 記事「技術革命の先頭において突破口を開いていく火のような熱意ー平壌市3大革命小組技術革新展示会場を見回って」

 

 標記展示会が1月28日と29日の両日、平壌市内の科学技術殿堂において開催され、「平壌市内の107個単位から出品された203件の創案品、発明品が展示」されたことを報じている。それら展示品の中で「好評を多く呼んだのは、原料と資材、設備の国産化を基本として出品された」ものであるという。ここでも技術革新の焦点が「自力更生」の実践に向けられていることが改めて示されている。

 また、興味深いのは、「市内の該当幹部達は、出品された展示品を注意深く見つつ、成果と経験だけでなく、一連の不足点も探した。彼らは、今後、小組員たちの技術革新運動を積極的に推し進めるための事業で遂行すべき対策的な問題を討議した」とされていることである。成果の誇示だけでなく問題点を率直に指摘・発見した上で、その改善・打開に力を注ごうとする最近の傾向が、こうした展示会の運営においても反映されていることがうかがえる。

 なお、本日の「労働新聞」には、同記事と同様、「3大革命小組員たちは、経済強国建設の戦区ごとで先端開拓の斥候兵になろう」との共通タイトルの下で、各地の企業所における「3大革命小組」の活動を紹介する記事もいくつか掲載された。

 「3大革命小組」と言えば、1970年代初頭の発足当初は、金正日の経済分野における指導権確立の先兵的役割を果たしたと言われたりもした。しかし、上掲の一連の記事からは、昨今では、同小組が派遣先単位の中で、もっぱら生産現場などにおける科学技術面での革新の先導役としての役割を期待されていることが改めてうかがわれる。