rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2月3日 社説「党創建75周年を勝利者の大祝典として輝かせよう」

 

 今年は、1945年10月10日を労働党の起点とみなす北朝鮮の歴史によると「党創建75周年」に当たる年であり、先の中央委員会会議においても、それに関連する活動の実施が決定されたことが報じられていた。

 本社説は、それを受けての取り組みをいかに進めるべきかなどについて論じている。

 第一に強調されていることは、「歴史的な党中央委員会12月全員会議の基本思想によってしっかりと武装し、その貫徹のための闘争に総邁進」することである。そして、「全員会議の基本思想、基本精神とは、情勢が良くなるのを座って待つのではなく、正面突破戦を展開しなければならないということ」と説明されている。

 第二に強調されていることは、「すべての人民が白頭山攻撃精神でしっかりと武装し、直面する困難を強行突破」することである。そして、そのために求められるのは、「『生産も学習も生活も抗日遊撃隊式に』とのスローガンを堅持し、いつどこでもその要求通りに生き、闘争」することなどである。

 第三は、「経済戦線で新たな高揚を起こしていく」ことである。その内容については、「(全員会議の)決定書には、今年、我々が経済建設において達成すべき目標が具体的に提示された」とした上で、①金属工業、化学工業、電力工業、石炭工業、鉄道運輸を活性化、②軽工業部門で現代化と国産化、質向上、③農業発展の5大要素に関する思想を徹底貫徹、④順天リン肥料工場建設、三池渕地区整備3段階工事、元山カルマ海岸観光地区建設、などの目標をあげている。

 第四は、「幹部が革命の指揮メンバーとしての責任と役割をまっとうすること」である。ここで注目されるのは、「隘路が提起されたら、国境の外を覗き見るのではなく、国内の生産単位、研究単位、開発単位との緊密な協同によってすべてのことを解決していく気風」を求めていることである。

 第五は、「党組織の戦闘的機能と役割を高めること」である。

 総じて、これまでにも主張してきたことを「党創建75周年」に絡めて改めて整理し直した内容といえる。換言すると、「党創建75周年」だからといって、何か特別のことを別途に行うということではなく、かねて「正面突破戦」として提起された課題を実践することによって、「党創建75周年」を輝かしていくということであろう。強いて言えば、経済分野の④で挙げた建設対象については、おそらく党創建記念日までの完工を目途として工事が進められることになろう。

 かつてであれば、こういった時期には、当該の記念日に向けて「〇〇日戦闘」といった全国的な動員活動期間を設けることが恒例であったが、今のところ、そのような動きはみられない。いまだ時期尚早なのか、あるいは、そのような方式は旧態依然としたものとみなされるに至っているのか定かでないが、10月の記念日に向け、いかにして中だるみを防ぎ、取り組みに拍車を掛けていくのか、注目される。