rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2月4日 「周到精密な作戦と指揮で防疫事業を強く推し進めている 中央非常防疫指揮部において」

 

 このところ連日、「新型コロナウイルス感染症を徹底して防ごう」とのタイトルの下、関連記事が掲載されている。標記記事は、その取組み体制を具体的に紹介したものである。

 同記事によると、中央非常防疫指揮部は、「内閣事務局と保健省、農業省、商業省をはじめとした党、中央機関の責任ある幹部によって該当分科を一層強力に組織」したとされ、具体的な分科名としては、「総合分科、封鎖・検疫分科、衛生宣伝分科、検閲分科、対外分科、薬務分科、治療分科など」があげられている。

 ただ、各分科の活動を紹介する中で筆頭に挙げられているのは「政治分科」であり、「各級党組織において新型コロナウイルス感染症を防ぐための事業を党として力強く推し進めるよう作戦と指揮を周到精密に組織している」とされる。やはり、党が動いてこそ関連機関が本腰を入れる国柄だけに、このような指導が国をあげての取組みを実質的に進めるための前提となるのであろう。推測するに、政治分科には、党中央の組織指導部あたりから幹部が出向しているのではないだろうか。

 2月1日の本ブログで指摘したように北朝鮮の場合、いわゆる脱北者のうち実際には出稼ぎ労働者とあまり変わらない者であるとか、国境での密貿易などに従事している者のコントロールが難しい課題になると思われるが、それを担当すると見られるのは、上記分科のうちの封鎖・検疫分科である。

 記事は、同分科の活動について、「新型コロナウイルスが入って来うる通路を具体的に掌握し徹底して封鎖するための対策を漏れなく立てている。特に、国境通過地点において検査検疫事業を強化し、各級非常防疫指揮部において外国出張者と住民に対する医学的監視と検病検診を漏れなく実施し、新型コロナウイルス感染者、疑診者(疑いのある者の意か?)を早期に摘発し、該当の対策を立てるよう強い要求性を提起している」と紹介している。

 その他の分科の活動は省略するが、こうした同中央指揮部の指導に基づき、全国で「毎日3万余名の保健部門従事者が動員され衛生宣伝活動と検病検診事業を遂行している」とのことである。