rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

5月5日 政論「初の勝戦砲声」

 

 標記政論は、1日に金正恩出席の下、竣工式が行われた順川リン肥料工場の完工について、「正面突破戦」の初の勝利の砲声と位置づけ、その建設の意義、建設過程で発揮された関係者の偉勲などを称賛するもの。

 例によって長文であるが、つまみ食い的にさわりを紹介すると、「順天戦域は、単純に経済戦線ではなく、我が党の正面突破戦思想の正当性が現実によって証明される政治的戦線」であったという。金正恩が昨年末に「正面突破戦」を打ち出し、今年の最初の訪問先に選んだのが同地であったのだから、確かに同工場の工事は、そのような政治的意味合いを込めて進められたのであろう。

 その上で、「ここ(同工場)における勝利は、まさに我が党政策は真理であり、法則であることを生きた画幅によって証明した歴史的勝戦」と主張する。

 さらに、その全国への拡大を目指して、「正面突破戦の初の勝戦砲声を種子として、社会主義強国建設の全戦線において飛躍と革新の火の手がより強く燃え上がるようにしよう」と呼びかけている。

 「正面突破戦」が提起されて、はや5か月目に入った。ここで、最初の成果を目に見える形で打ち出し、その勢いを5か月後の「党創建記念日」(10月10日)に向けて全国に及ぼそうとの思惑がうかがえる。そして、おそらく、今後そのような勢いをけん引する役割を担っていくのは、平壌総合病院の建設工事であろう。その「速度戦」ぶりを折々にアピールすることによって、それに負けずと各地・各単位が奮起することを目指していくと思われる。それでも足りなければ、7月頭ころから、党創建記念日までの「100日戦闘」などを開始する可能性もあるのではないだろうか。