rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

3月19日 社説「正面突破戦を人民に対する滅私服務で一貫させよう」

 

 標記社説は、昨日報道された金正恩平壌総合病院着工式への出席及びそこでの演説を受けたものである。本日の「労働新聞」には、同社説以外にも、「政論」や各界の「反響」など関連記事が掲載されており、昨日の本ブログで指摘のとおり、同病院建設を契機に金正恩主導による「人民大衆第一主義」を改めてアピールしようとの狙いが如実に示されている。

 社説は、まず、「病院建設をいかなることがあっても党において定めてくれた期間内に完全無欠に終えるとの思想的覚悟を持って決死の闘争を展開し立派に完工することによって、病院が母なる党の意義深い誕生日に人民を迎えるようにしなければならない」として、党創建記念日(10月10日)までの完工を訴える。

 そして、そのための重要課題として、金正恩演説でも指摘された必要資材等の供給と建設における「質」の確保を取り上げ、次のように強調している。

・「内閣と国家計画委員会、省、中央機関と工場、企業所では、生産組織(計画の意味)と指揮を行い、増産闘争の火の手を強く起こし、工事に必要な資材と設備(の供給)を責任を持って保障しなければならない」

・「すべての建設者は、建設工程別に施工基準と建設工法を厳格に守り、誰が見ていてもいなくても、純潔な良心の玉の汗を惜しむことなく捧げ、工事の質を最上の水準で保障するため積極的に努力しなければならない」

 社説は、これに続いて、「すべての部門、すべての単位において党創建75周年を革命的大慶事として輝かせるための総進軍に一層大きな拍車を加えていかなければならない」として、他部門においてもが同病院建設の勢いを模範として、党創建記念日に向けそれぞれの目標完遂に努めるよう訴える。そのためには、各部門が「党が提示した戦闘目標遂行のための具体的な計画と正しい方法論を立て、実践的な対策を講究することによって、絶え間ない革新を創造」することが必要と主張している。

 社説は、更に、従前からの主張を改めて繰り返している。すなわち、「今日の正面突破戦は自力更生大進軍」であり、「他人に対する依存心と輸入病、敗北主義と懐疑主義、本位主義と無責任性は正面突破戦の最も重要な闘争対象であることをはっきりと銘記」しなければならない、というのである。結局、そういった思想傾向が平壌総合病院建設といういわば驚異的な取り組み実現を阻害する要因になるとの思いがあるのであろう。