rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

5月6日 論説「我が革命の前進を力強く推動した歴史的な党第7次大会」

 

 標記論説は、2016年5月6日から標記大会が開催されて以来、今日で4年目を迎えたことに際し、「(同)大会が提示した路線を堅持し前進してきた過程」を回顧し、その成果を称賛するものである。

 論説が掲げる第一の成果は、「我が国家の尊厳と威信が最上の見地において轟かせられたこと」である。その具体的な内容としては、「この日々に我々は、他人が数十年かけても成し遂げられない奇跡を僅か何年の間に成し遂げ、建国以来最も大きな山を越える歴史的大業を成就し、我が共和国をいかなる仇敵も敢えて手出しできない不敗の堡塁として固めた」ことなどがあげられている。

 この項目が全体として何を意味するのか、必ずしも明確ではないが、米国本土に到達可能なミサイル開発など核戦力の強化と、それを背景に米国との対等の交渉を開始したことなども含めて、主に外交面における国威発揚をアピールするものと考えられる。

 第二の成果として、「経済文化建設においても大きな成果が成し遂げられた」ことをあげる。具体的には「自立経済の土台がより強化された」ことであり、とりわけ昨年の成果を特筆して「祖国青史に刻まれている」と称賛している。

 外部機関による分析などを見る限りでは、経済面で、昨年がそれ以前の年に比較してそれほどの成果をあげたとも思えないのだが、経済制裁が強化された条件下でそれに屈せず頑張ったという意味なのか、あるいは北朝鮮としては客観的数字でそのように総括しているのか、注目されるところである。いずれにせよ、穀物生産が予想に反して「最高収穫水準を突破した」ことが大きく寄与しているのであろうが。

 論説は、最後に、そのような党大会以降の成果について、「(そのような)勝利は敬愛する最高司令官同志の老熟し洗練された領導の高貴な結実である」と評価するとともに、今後の運命についても、「最高司令官同志に付き従う道に主体革命の勝利があり、無窮に繁栄する未来がある」と主張している。

 なお、本日の「労働新聞」には、上掲論説のほかに、「党第7回大会が提示した雄大な綱領にしたがって主体革命偉業遂行の輝かしい全盛期を開いていこう」との共通タイトルの下、多くの記事が掲載されている。そのいくつかを紹介すると、次のとおりである。

・「我が党と革命発展の画期的里程標を準備して下さり」と題し、同大会における金正恩の発言等を紹介する記事、

・「奇跡と変革を刻んだ誇り高い行路」と題し、同人の現地指導などを回顧する記事 

・「人民大衆第一主義を徹底して具現して」と題して、人民生活向上に向けた各地党組織の活動を紹介する記事

・「党第7回大会決定貫徹と党組織の戦闘力」と題して、党組織の活動の在り方を訴える評論

  党大会の開催間隔は、かつて5年ごととしていた党規約の規程が2010年の党代表者会で削除され、現状では特段の規定はなかったと思うが(未確認)、次の大会はいつ開催されるのであろうか。金正恩の業績の一つとして党機関運営の正常化を挙げていることからすると、従前の規定に沿う形で来年5年ぶりに開催してもいいのではないかと思うがどうであろうか。開催の場合は、招集は6か月前と規定されているから、仮に来年春に開催するのであれば、今年の10月10日の党創建記念日にあわせてそれを公表することもでき、そうすればなかなか盛り上がるのではと勝手に想像している。