6月4日 社説「正面突破戦に拍車を加え党創建75周年を勝利者の大祝典として輝かせよう」
標記社説は、昨年末の党中央委第7期第5回全員会議で、党創建75周年を盛大に記念することについての決定がなされたことにも言及しつつ、それに向けて「正面突破戦」に全力を尽くすことの必要性を強調した上で、そのために次の5点を訴えている。
第一は、「すべてのことは、初めをうまく行うことも重要だが、締めくくりをいかに行うかがより重要」ということである。要するに75周年に向けて設定した各種目標を確実に実現することを訴えるものであり、「党に対する忠実性は実践の中で検証される」として、成果の具体化を求めている。
第二は、「すべての部門、すべての単位で中間総括を実質的に行い、次の段階の作戦を緻密に組織する」ことである。第一の要求を確実に実現するための取り組み方法を示したものといえよう。
第三は、「科学技術と増産節約を基本として総進軍速度を高めていく」ことである。科学技術の導入による経済活性化を改めて訴えるものである。また、「増産の予備は節約にある」として、増産と節約を表裏一体のものとして推進するよう訴えている。
第四は、「幹部が党と革命の前に帯びた責任を尽くしていく」ことを、第五は、「10月の大祝祭場(党創建記念日)に向けた総突撃戦で党組織の役割が非常に重要である」ことを、それぞれ訴えている。この種論説では、定番の項目である。
以上、格別目新しい内容もないが、強いて特徴をあげると、前掲の各論に至る以前の総論部分、すなわち、「正面突破戦の成果で党創建75周年を輝かせる」ことの必要性・妥当性についての主張が随分長いことである。それは当然の前提になっていると思っていたが、仮に、そこから説得しないといけないのであれば、思想的に本当に大変な状況になっていると考えるべきではないだろうか。
更に言えば、2日前の6月2日付けで「勤労者」との共同論説が掲載されたが、今日の社説のテーマは、まさにそこで取り上げられるべきものであったように思う。しかし、2日のブログで紹介したとおり、そこでは金正恩の指導の正当性が改めて主張され、今日の社説でも、前述のとおり、「そもそも」論に相当の紙幅を費やし、そのあおりで、「正面突破戦」推進に向けての方法論はとおり一編の記述で終わってしまっている。長文の共同論説で、その辺の問題をしっかりと解説・説得すれば、それなりに実益があったのではないか(余計なお世話であるが)。
ちなみに、本日の「労働新聞」紙面には、「10月の慶祝広場が我々を呼んでいる。皆すべて総突撃、前へ! 紙上論壇」との共通タイトルの下、各界の人物が今後の取組みに向けた決意などを披瀝する記事もいくつか掲載されており、それらを総じて党創建75周年に向け奮起を促すという構成になっている。