rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

6月5日 金与正談話の効果てきめん

 

 昨日の金与正談話についての本ブログで、「文政権も・・・『応分の措置』の検討を始めているのではないかと書いたが、現実は、更にその先を行っているようで、統一部がビラ散布禁止の法制化を検討中である旨を公式に明らかにしたそうである。以前から構想はあったと言っているようだが、金与正談話が契機になって、その「構想」が加速され、具体化されることに間違いはないであろう。ビラ散布の規制の妥当性如何はともかくとして(個人的には一理あるとは思うが)、今回のような、いわば脅しに屈するような打ち出し方に対して韓国国内で反発は生じないのだろうか。昔を考えると実に隔世の感を禁じえないものがある。

 北朝鮮では、これも昨日のブログで指摘したところだが、こういった談話発出などを通じて金与正の「実績」を創出しようとの企図があったとみられるところ、それがまさに奏功し、大喜びであろう。早速、内部では「一発の銃弾も打たずに南朝鮮当局を威服させた、与正同志の偉大性、豪胆性」をほめそやす動きが出ているのではないだろうか。

 仮に今後、彼女が実権を行使するようになった場合、このようなデビュー時の「成功体験」が体質化して、それ(恫喝策)を繰り返すようになるおそれがあることを指摘しておきたい。