rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2023年12月6日 第5回全国母親大会関連記事を多数掲載

 

 本日の「労働新聞」は、第1面トップに「偉大な太陽を社会主義大家庭の父として高く奉じた幸福限りない 第5回全国母親大会参加者と全国人民の激情にあふれた声」と題して、4日閉幕した標記大会に関する各界各層の反響を大きく報じている。

 同面には、また、党中央委員会が第5回全国母親大会参加者に送った贈り物伝達集会が12月5日、李日換秘書をはじめとする党中央幹部出席の下、開催されたことを伝える記事も掲載されている。李日換は、そこでの伝達辞を通じて、金正恩が贈り物の品目などに細かな配慮をめぐらせたことを紹介し、「金正恩同志の心あふれる肉親の情がすべて贈り物に深く籠められている」と述べたという。

 このほか、第4面も1ページを費やして、「第5回全国母親大会参加者と会って」との共通題目の下、個別の参加者の業績・行動などを多数紹介する、「価値高い栄誉 共産主義母親」などの大会関連記事を掲載した。

 こうした報道ぶり、特に、全国各層の反響を伝える記事の掲載は、同大会を契機として、全国の「母親」だけではなく、その息子・娘や夫も対象に含めた国内各層に対する思想教育・動員を強化しようとの指導部の狙いを端的に示していると思われる。

 それと比較するのは、必ずしも適当ではないかもしれないが、先の偵察衛星打ち上げ発射については、結局、こうした「反響」は報じられないままに終わっている。両者の国内的位置づけは、国外での関心の置き方とはまったく対照的であり、こうしたところに、外部の北朝鮮認識における一種の「歪み」を感じざるを得ない。誠に僭越ながら、本ブログがそうした「歪み」の是正に少しでも役立てば幸いである。