rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年11月22日 3大革命先駆者大会閉幕

 

 本日の「労働新聞」は、紙面冒頭に標記大会が閉幕したことを報じる朝鮮中央通信の記事とそこで採択されたアピール文を掲載している。

 ただし、同記事には、大会が閉幕した日付けへの言及はなく、その他の開催状況についても、何日目に何が行われたとかの具体的記述は一切省かれており、「討論(複数)が継続された」、「アピール文が採択された」「・・などのスローガンを力強く叫んだ」とだけ報じている。

 その中で討論者及びその内容については、かなり詳細に紹介している。名前を挙げられたのは、黄海製鉄連合企業所責任秘書をはじめとして18人である。それらの討論内容は多岐にわたるが、それを聞いた参加者の反響については、「絶世の偉人たちの不滅の領導業績を徹底して擁護固守し限りなく輝かしていく事業を単位発展の生命線として確固として堅持し、頑強に推進していくとき、目覚ましい成果を収めることができるということ」「思想事業を先行させて大衆の精神力を発動し集団主義原則を確固として堅持することを基本として進むとき、技術革命、文化革命遂行においても大きな前進を成し遂げることができるということ」についての印象が強調されており、結局、これらが「討論」を通じて最も訴えたい点であったと考えられる。

 アピール文については、「全国の3大革命旗手たちと3大革命小組員たち、勤労者たちに送る」ものとされ、「偉大な金正恩時代を3大革命の最全盛期、社会主義建設の全面的発展期として輝かせること」を「熱烈に訴える」ものとされている。

 そして、最後は、「偉大な金正恩同志にしたがって主体革命偉業を最後まで完成しよう!」などのスローガンを叫んだことが報じられているだけで、閉会辞などへの言及はない。

 ここで同大会の日程を推測して見ると、初日(18日)に開会辞・国歌吹奏、金正恩書簡伝達(崔竜海)、報告(李日換)、討論が行われ、19日は終日討論、20日は金正恩書簡の集中学習、21日にアピール文を採択して閉会、といったところであろうが、問題は、何故、それを明らかにしないのかである。そこに何か秘匿すべき理由があるとも考えにくいのだが、それが北朝鮮ウォッチングの面白いところでもあるのだろう。