rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年11月21日 金正恩書簡の「集中学習」実施

 

 本日の「労働新聞」は、敬愛する金正恩同志の綱領的書簡に対する集中学習実施 第5回3大革命先駆者大会参加者達、文献の精髄を深く研究体得」と題する記事を掲載して、20日、同大会参加者が18日に伝達された金正恩書簡の「基本精神と重要内容に対する解説」を聴取したことを報じた。

 ただ、同大会自体については、20日の本ブログで紹介したとおり、同日に初日である19日の開催状況が報じられたものの、昨日は2日目の開催状況そのものに関する報道がなく(各界人士の金正恩書簡を受けての寄稿・反響などを多数掲載)、今日になって、上述のように「集中学習」の実施を伝えており、昨日何が行われたのか、会議が終わったのか続いているのかも判然としない。また、集中学習の講師を誰が務めたのかも報道がない。今後、ニュース映像などで判明するかもしれないが、推測するに、書簡を伝達した崔竜海ではないだろうか。

 ところで、そもそも、「3大革命」に関する大会で、何故、最高人民会議常任委員長である崔竜海が書簡伝達したのか当初、違和感があったのだが、よく考えてみると、「3大革命赤旗」授与は、まさに最高人民会議常任委員会の決定によって行われているのであるから、その委員長である崔竜海が今次大会で重要な役割を果たすのは当然のことであろう。

 ただ、更に遡って考えると、「3大革命赤旗獲得運動」は、明らかに党が主導する運動である(そのことは金正恩書簡でも力説されていた)にもかかわらず、「3大革命赤旗」の授与は国家機関である最高人民会議常任委員会の名義で授与されるというのがそもそもおかしいようにも思える。

 結局、それは、北朝鮮の政治体制が党国体制であること、すなわち党と国家が癒着していることの端的な反映と考えるべきなのであろう。