rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2022年4月11日 「敬愛する金正恩同志が我が党と国家の最高首位に高く推戴された10周年慶祝中央報告大会」開催を報道

 

 本日の「労働新聞」は、標記大会が4月10日、開催されたことを伝える記事を掲載した。同大会では、崔竜海最高人民会議常任委員長が「偉大な金正恩同志の思想と領導を奉じ主体革命偉業を最後まで完成しよう」と題する「報告」を行ったとされる。別途に全文が掲載された同「報告」では、金正恩同志の過去10年間の業績を諸々列挙して最大限称賛し、その結果、「歴史の流れでは閃光にも等しいこの10年の間にこの地の上では歳月を圧縮して天地開闢が起き、我が祖国は百年を前倒しして跳躍しました」と総括した上で、「我々は、全党と全社会を金正恩同志の革命思想によって一色化しようとの信念のスローガンを高く掲げ、我が党と革命隊伍を敬愛する総秘書同志と思想と志、息遣いと歩みを共にする思想的純潔体、組織的全一体としてしっかりと固めていかなければなりません」などと訴えている。

 なお、同大会の主席檀着席者として、崔竜海に加え趙勇元組織秘書、金徳訓総理ら党常務委員はじめ政治局メンバーの名前が報じられたが、党常務委員である朴正天秘書の名前は報じられなかった。4月2日付けで同人名義の談話が発出されているので、更迭されたわけではないと思われるが何故欠席したのだろうか。一方、その末尾に金予正の名前があるが、それが政治局メンバー入りを意味するのか、金正恩との関係で特別扱いなのか判然としない。

 また、今日の紙面では、10日に同大会のほか、各道、市、郡において、「敬愛する金正恩同志が我が党と国家の最高首位に高く推戴された10周年慶祝報告大会(又は報告会)」が、また、各級機関、工場、企業所、協同農場、大学において、「敬愛する金正恩同志に捧げる祝電採択集会」が、それぞれ一斉に開催されたことも報じられている。

 更に、同10周年を契機として、朝鮮革命博物館に「社会主義強国建設において転換的局面を切り開くための闘争時期館」が新たに設置されたことも報じられている。同施設は、「朝鮮労働党第7回大会以降5年間、精力的な革命活動で我が党の強化発展と社会主義強国建設のための闘争で画期的転換をもたらされた敬愛する総秘書同志の不滅の領導業績が集大成されている」とのことで、主に政治関係の1号室、外交軍事菅家の2号室、経済関係の3号室及び文化関係に加え「第7期第5回全員会議で正面突破戦を展開することについての革命的路線を提示され、その実現のための闘争を組織領導されてこられた史的資料」が収められた4号室からなっているそうである。同施設には、10日、崔竜海をはじめとしたと政府の幹部が同施設を参観したと報じられており、事実上、同日から開館ということであろう。

 ちなみに、同館4号室で、「正面突破戦」の提唱・展開に関してがそれ以前の時期の業績と別扱いのようになっているのが注目される、同路線の発起により7党大会以来の路線がそれだけ画期的に転換したとの自己認識を反映しているのではないかとも考えられる。