rodongshinmunwatchingのブログ

主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2021年12月24日 政論「主体革命偉業は永遠に乗勝長躯するであろう 第4編 新たな旅程の勝利を促進しよう」(12月25日記)

 

 標記政論は、22日掲載の第3編に続くもの。同政論は、そもそも「敬愛する金正恩同志の領導にしたがって力強く前進してきた聖なる10年の革命旅程に謹んでこの文章を捧げる」とのサブタイトルに示されているとおり、金正恩執権後の10年を回顧総括するものであるが、この第4編は、とりわけ今年の出来事を通じて金正恩が提示した将来に向けての構想をとりあげ、「既に偉大な新たな旅程がはじめられた! 我々は、今10年の終幕ではない、百年未来の序幕を見る」として、それへの邁進を訴える内容となっている。

 このうち、金正恩の示した構想としては、「この年は、党8回大会において社会主義偉業を勝利の次の段階へと移行させる上で提起される偉大な実践綱領を提示されたのに続き、市・郡強化と党細胞強化路線、青年運動発展と軍力強化の指針、幹部革命化方針、党事業の改善のための不滅の綱領、すべての革命陣地を3大革命化することについての路線など・・を続けて明らかにされた」ことなどをあげている。

そして、国防発展展覧会における金正恩の過去5年間の軍事力整備の進捗ぶりに関する発言を取り上げた上で、「5年をこうして神話のように突きあがった力でこれから5年、そしてまた5年すれば、我が朝鮮は、実にどれだけはるかな高みに立つことになるであろうか」として、今後の成長の可能性の大きさを主張している。

  政論全体の結びと思われる部分では、改めて「主体革命偉業」という概念に戻って、「朝鮮が一つの生命体であるとすれば、主体革命偉業はその血脈と同じである」と位置付け、「主体革命緯業の故郷は白頭山であり、この聖なる偉業の始祖は偉大な金日成同志であらせられる」とした上で、それを「今日、敬愛する(金正恩総秘書同志は代を継いで輝かしく実現していかれる」として金正恩に結び付けている。そして、「主体革命の血脈、これがあって偉大な朝鮮があり、我々のすべての幸福と栄光があり、これを失えば運命も勝利も未来もない」と主張して、金正恩を中心とした運命共同体的関係を強調している。

 以上の構成から見て、4回にわたって掲載された同政論も、今編で結びの模様である。結局、「政論」という性格上、特段の論理展開というよりは、情緒的なレトリックを駆使した叙事詩的記述でこの10年を称賛する内容であった。

 さて、そうした「偉大な10年」を踏まえて、来年の具体的計画としては、いかなるものが示されるのか、間もなく開催の中央委員会全員会議が注目される。それと、今年完成予定であったはずの平壌市内の1万世帯分住宅の建設工事が本当に終わるのかもきになるところである。