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主に朝鮮労働党機関紙『労働新聞』を通じて北朝鮮の現状分析を試みています

2024年3月6日 北朝鮮科学技術開発の現況

 

 本日の「労働新聞」は、「2023年国家最優秀科学者、技術者が選定」との見出しの下、「第21回非常設2・16科学技術賞審議委員会においては、昨年に国の科学技術を世界的水準に登らせ、経済発展と人民生活向上に貢献した10余件の対象課題に2・16科学技術賞と科学技術革新賞を授与することを決定した。2・16科学技術賞を授与された対象課題を遂行する上で核心的役割をした7名が2023年国家最優秀科学者・技術者に選定された」とした上で、その7人の業績を顔写真付きで紹介する記事を掲載した。

 この7人の所属機関・役職と主な研究テーマは次のとおりである(氏名は音訳)。これらを通じて、北朝鮮の科学技術開発では、どのような機関が主力となって、どのようなテーマに力を注いでいるかをうかがうことができよう(ただし、軍事関係はおそらく除外されているのであろう)。

  • 国家科学院ナノ工学分院ナノ材料研究所・李秀英研究士:希ボウ硝からボウ硝を分離する技術開発
  • 国家科学院動力機械研究所・金革天室長:噴射ポンプによる火力発電所複数機冷却水保障技術確立
  • 金日成総合大学物理学部講座長・康振友教授:陽子重力と宇宙の加速膨張、素粒子発生に関する研究
  • 国家科学院微生物学研究所所長・金文哲教授:活性の高い酵素生産の工業化を実現
  • 金日成総合大学生命科学部研究士・池恩貞博士:稲栽培における肥料の効果性を高め得る肥料定量投入装置を開発し農業用水を通じた施肥方法を確立
  • 金策工業総合大学鉱業工学部室長・権創徳博士:電気インパルス水処理技術を開発し稲栽培に導入することにより食糧増産に大きく貢献
  • 医学研究院医学生物学研究所研究士・李光進博士:病原性微生物核酸検出方法を確立